研究課題/領域番号 |
09672070
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
渋谷 鉱 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70130523)
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研究分担者 |
宮本 康子 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (40277471)
下坂 典立 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (90297854)
山口 秀紀 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (50220273)
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キーワード | 呼吸 / 顎間固定 / 鼻呼吸 / 口呼吸 / 呼吸経路 |
研究概要 |
歯科・口腔外科領域の手術は、換言すると上気道の手術であり、麻酔野と手術野が重複し術中・術後に気道管理の面において種々の制約をうけることが少なくない。本研究は、歯科・口腔外科領域の手術の顎間固定操作と呼吸機能、特に鼻呼吸-口呼吸の変換に着目しその反射経路、回復過程、軟口蓋部の変化、顎位および舌房の位置的関係と手術時間、麻酔薬、年齢や手術内容等について顎、顔面口腔外科領域の周術期の呼吸管理上の問題点について総合的に検討を加えることを目的として企図した。 1.顎間固定と手術前後の呼吸機能について(成人ボランティア) 1)顎間固定によって口呼吸は消失し、呼吸経路は全例鼻呼吸のみとなった。 2)顎間固定前の鼻および口呼吸から固定後の鼻呼吸のみへの移行がみられた。 2.顎間固定後の主呼吸経路の遮断における変化 1)手術症例における顎間固定後の呼吸経路は鼻呼吸を主とするものが29例中27例(93.1%)であった。 2)顎間固定後に口呼吸が消失する症例がみられた。 3)顎間固定前、鼻呼吸および口呼吸の両者を呼吸経路にしていた症例では、術中の顎間固定によって全身麻酔後鼻呼吸のみとなり、一回換気量および分時換気量の減少と終末呼気二酸化炭素濃度(EtCO_2)の増加が認められた。 4)鼻呼吸経路の閉塞によって口呼吸経路への移行が認められ、鼻呼吸経路の解放により再び鼻呼吸が再開するが、同時に口呼吸も継続して観察された。しかし、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO_2)、動脈血酸素分圧および二酸化炭素分圧(PaO_2およびPaCO_2)の変動から術直後の鼻閉に関しては注意が必要である。
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