研究課題/領域番号 |
09672076
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
川口 浩司 鶴見大学, 歯学部, 講師 (50277951)
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研究分担者 |
中岡 一敏 鶴見大学, 歯学部, 助手 (50298262)
瀬戸 皖一 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60064367)
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キーワード | 自己硬化型アパタイト / 逆根管充填剤 / 歯周組織 / セメント質 |
研究概要 |
α-TCP系の自己硬化型アパタイトであるG-5は生体親和性に非常に優れ、骨補填材、逆根管充填剤として応用した際に有力な結果を得てきた。さらに、G-5を歯頚部根面象牙質充填剤として応用したところ、その表面にセメント質の形成とともに一部歯周組織の再生が認められた。しかしながら、G-5を歯頚部根面充填材として応用する際にGTR法を併用した場合の歯頚部歯周組織の再生状態を検索した結果は、吸収性膜による生体反応性炎症が強く、G-5単体で使用した実験群と比較して歯周組織の回復状態は良好ではなかった。そこで、平成10年度は間葉系組織の誘導能があるといわれるFGF(fibroblast growth factors)を併用しての実験を行い、より高度な歯周組織の再生を期待し実験を行った。実験は、G-5単独とFGFを併用した群の2群を比較検討した。実験方法は、ビーグル犬、体重約10kgのメスを用いて、全身麻酔の後、前臼歯部の歯頚部粘膜骨膜弁を剥離し、同部の歯頚部直下にトレフィンバーで直径4mmで歯槽骨、セメント質を経て象牙質にいたる深さlmmの窩洞を形成後、G-5とFGFを併用して充填した。観察期間は、4, l2wとして光学顕微鏡的に観察した。 FGFを併用した群は、G-5単独群と比較してよりよい結果が得られた。すなわち、G-5およびFGFを充填した面を完全に密着するように新生セメント質が覆い、理想的な治癒がえられたものと思われる。今後の実験においては、さらに適正なFGFの濃度を検索するとともに、他の領域においても検索を行う予定である。
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