研究課題/領域番号 |
09672080
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
夏目 長門 愛知学院大学, 歯学部・口腔外科学・第二講座, 助教授 (90183532)
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研究分担者 |
新美 照幸 愛知学院大学, 歯学部・口腔外科学・第二講座, 助手 (60291762)
木下 弘幸 愛知学院大学, 歯学部・口腔外科学・第二講座, 助手 (70261005)
河合 幹 愛知学院大学, 歯学部・口腔外科学・第二講座, 教授 (50064788)
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キーワード | 口唇裂 / 口蓋裂 / 口唇口蓋裂自然発生マウス / A / Jマウス / C57 / BLマウス / 受精卵移植 / 母体環境因子 |
研究概要 |
昨年度、本症発生における母体の影響について検討を加える目的で、非発生系(C57BL/6系)マウスの受精卵を易発生系(A/J系)マウスに移植し、得られた胎仔について口唇・口蓋裂発生の有無について比較した。結果は以下の如くである。 1、 (1)、 A/系マウス、C57BL/6系マウスおよび2系統間のFlマウス(口唇・口蓋裂は発生しない)を用いた卵巣移植実験において、母体の遺伝子型に関係なく胎仔がA/J系マウス由来である場合に唇顎口蓋裂が約7%の発生率で観察され、口蓋裂単独は発生しなくなるという報告を行った。このことは、唇顎口蓋裂は受精卵の遺伝的な要因により発生し、口蓋裂単独は母体環境の影響を受けるということを示唆していた。 (2)、 (1)の実験結果を考慮した上で、受精卵そのものを系統の全く異なる母体に移植し、口唇・口蓋裂の発生原因を追究することを試みた。その結果、口唇・口蓋裂易発生系(A/J系)マウスの受精卵を非発生系(C57BL/6系)マウスに移植したところ、口唇・口蓋裂も口蓋裂単独も全く認められなかった。 本研究では、口唇・口蓋裂非発生系のC57BL/6系マウスの受精卵を易発生系のA/J系マウスに移植することで、得られた胎仔にどのような変化がみられるかを観察したが、その結果得られた102匹の生存胎仔には口唇・口蓋裂は全く認められなかった。このことは口唇・口蓋裂の正常発生について、C57BL/6系マウス受精卵の遺伝的要因がA/J系マウスの母体環境要因よりも強く関与している可能性を示唆している。 2、 その結果について、平成10年7月に名古屋で開催された第37回日本先天異常学会ならびに第39回大韓・顎顔面外科学会において発表した。また、更に研究を続け、平成10年度中に論文を投稿した。
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