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1997 年度 実績報告書

根尖性歯周炎を有するヒト乳歯歯根の病的吸収動態に関する組織学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09672089
研究種目

基盤研究(C)

研究機関北海道大学

研究代表者

八若 保孝  北海道大学, 歯学部, 助手 (60230603)

研究分担者 加我 正行  北海道大学, 歯学部, 助教授 (70125300)
キーワードヒト乳歯 / 根尖性歯周炎 / 病的歯根吸収 / 破歯細胞 / 光学顕微鏡 / 透過型電子顕微鏡
研究概要

1.根尖性歯周炎を有するヒト抜去乳歯の歯根を顕微鏡観察した。破歯細胞はほとんど観察されず、抜歯の時点では、病的歯根吸収は休止している状態であった。細菌は主に根管内および根管壁に分布しており、歯根外部に認められるものもわずかに存在した。また、歯根の象牙細管内への細菌進入は、根管上部で著明であったが、根尖領域ではほとんど認められなかった。病的吸収は歯根象牙質の広い範囲で生じており、いわゆる虫喰的な状態の吸収窩が多数観察された。これは、比較的水平に進行する生理的吸収とは、全く異なる状態であった。また、凹凸を有する歯根象牙質表面において、部分的ではあるが、根管の外形を補填するようにセメント質の添加が観察された。透過型電子顕微鏡による観察から、このセメント質は、電子密度の高い細線維と細顆粒状物質とわずかのコラーゲン線維により構成されていたが、その充足率は低くその間隙は粗であった。このように、病的歯根吸収後に添加したセメント質は、本来のセメント質に比較して、粗造な構造であった。これらのことより、病的歯根吸収は、炎症によって引き起こされる局所圧の上昇だけでなく、細菌および細菌の産生物による刺激なども、深く関係して起こることが推察された。また、重篤な炎症を有する部位であっても、生体の修復機構は働くことが示されたが、添加された修復性セメント質は、本来の構造を有しておらず、吸収領域を取り巻く局所の環境が、修復機構に大きな影響を与えたことが示唆された。
2.感染歯質の培養破骨細胞による吸収動態の観察については、破骨細胞の培養が完全ではなく、歯質の吸収状態を観察する過程にまで、残念ながら到達していない。現在、培養条件の再設定中である。
3.ラット皮下組織への歯質の埋入による吸収動態の観察については、現在、試料作製中であり、順次顕微鏡観察を行う予定である。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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