本研究の目的は、表情を作成するときの顔面皮膚の動き表示できるコンピュータモデルを作成し、この顔モデルを用いて外科的矯正治療前後の表情表出の違いを調べることと、この顔モデルの動きを見ながら外科的矯正治療後の患者が表情筋を動かして表情表出を行うトレーニングシステムを作ることである。 本年度の研究成果 1.表情表出時の顔面の動きの計測、ならびに顔の表情表出のできる顔モデルの作成 本研究の主旨に同意した被験者に、「喜び」、「怒り」、「驚き」などの情緒的な表情表出時の顔の動きを測定し、その結果を基に表情筋の動きに従った顔面皮膚の変化を表示できる本研究用の顔モデルを作成した。この顔モデルを構成しているワイヤーフレームモドルと被験者の正面写真上の各部分との適合が従来のモデルより簡便に操作できるようになり、被験者の正面顔の写真を顔モデルに適合させ、表情筋の動きに従った顔面皮膚の変化をシミュレートすることが可能となった。 この顔モデルを用いることで表情表出時の表情筋の動きを記録、再現が可能となった。同一に設定した表情筋の動きの値を用いて、歯科矯正治療前後の表情表出の違いを比較することで治療による変化を客観的に捉えることができるシステムとなった。 2.表情表出トレーニングシステム 表情筋の動きに従った顔面皮膚の変化が可能である本システムは、被験者本人が実際に行えない動きも表示できることから、シミュレートした顔を見ながら表情筋を動かすトレーニングシステムを構築するための基礎ができた。
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