研究課題/領域番号 |
09672120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
水口 清 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00133380)
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研究分担者 |
羽賀 俊明 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (80287185)
花岡 洋一 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30180912)
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キーワード | 法医学的物体検査 / D12S67. / D21S11 / D12S66 / amelogenin / 性別判定 / 義歯からのDNA多型 / 熱処理歯牙からのDNA多型 |
研究概要 |
113例の血液から採取したDNAを試料とし、D12S67座位の部分増幅による型判定を行った所、従来の判定法では11のalleleが検出されていたものが、新たに35のalleleが存在することが明らかとなり、日本人におけるヘテロ接合度は93%で、現在検討されているSTRの中でも最も多型性に富む群に属することがわかった。この多型は塩基配列を比較することによりさらに再分類されること、および歯牙を資料をしたD12S67座位の検出も可能であることを示唆する結果も得ている。D12S66座位については170例の資料を用いて日本人についての多型検出を行ったところ、6種のalleleが見いだされ、ヘテロ接合度は57%であった。またD21S11の多型については141例の資料を用いて検査したところ、11のalleleが見いだされ、ヘテロ接合度は80%であった。いずれの多型の歯牙を資料として多型検出が可能であった。X及びY染色体上のAmelogenin遺伝子の配列で、互いに4〜6塩基の長さの違いがある部位についてPCR増幅を行ったところ、血液を用いれば何れも正確な性別判定が可能であったが、歯牙を用いるとそのうち1カ所の領域のみがbackgrouodの低い明瞭な増幅がなされることがわかった。熱処理歯牙からのDNA多型の検出については、歯牙の熱処理により外観の違った歯牙から、D4S43多型、およびamelogenin遺伝子を用いた性別判定を行い、200度以下であれば上記のPCR産物が得られることがわかった。もた外観の違いからPCR増幅産物が得られるか否かの推測が可能になった。義歯からのDNA多型の検出については、レジンに付いた唾液斑からDNAを回収する際に、約5mm四方で1mmの厚さのレジン片で充分に判定可能であることを確認し、実際に装着されていた義歯を用いて、装着期間なども考慮し、同様な判定が可能であることを明らかにした。
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