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1998 年度 実績報告書

DNA多型の歯科法医学的個人識別への応用

研究課題

研究課題/領域番号 09672120
研究機関東京歯科大学

研究代表者

水口 清  東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00133380)

研究分担者 羽賀 俊明  東京歯科大学, 歯学部, 助手 (80287185)
花岡 洋一  東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30180912)
キーワードD12S67の塩基配列多型 / 非ヒト霊長類のD12S67 / 非ヒト霊長類のD21S11 / VWA / LPL / 非ヒト霊長類のVWA / 歯からのDNA多型 / DYS19
研究概要

血液から採取したDNAを試料とし、D12S67座位につき188alleleの塩基配列を決定したところ、52型のalleleが見いだされ、ヘテロ接合度は約96%となった。各allele間の違いは1例を除いていずれも4塩基の繰り返し配列数の違いを示した。この座位のalleleの大きさは233-273bpと大きな偏りが無く、法医学的物体検査に極めて有効な座位であることがわかった。D21Sll座位とD12S67座位を非ヒト霊長類を試料としてPCR増幅したところ、D12S67は旧世界ザルおよび類人猿から、D21S11は類人猿からバンドが得られ、塩基配列の比較では繰り返し構造の変異配列が種を越えて共通して認められるものと、種に特徴的な配列とが存在した。119人の男性血液試料からDYS19座位の検出を行ったところ5種のalleleが認められ、日本人においてはallele15が最も頻度が高く、白人とは異なる傾向を示した。塩基配列の違いは4塩基の繰り返し数の違いを示した。155人の血液試料からVWA座位の多型を検出したところ、7種のalleleが認められヘテロ接合度は79%で、さらに142alleleについて塩基配列を決定したところ10種のalleleが認められ、allele14とその他のalleleとの間で塩基配列の構成が2種に分かれることが明らかとなったが、同じallele間の変異はあまり高くはなかった。非ヒト霊長類との比較においてはallele14はむしろ類人猿の配列に類似していた。158例の血液試料からLPL座位の検出を行ったところ6種のalleleが見いだされへテロ接合度は約49%であった。今回用いたSTRはLPL、VWA、DYS19、D21Sll、Dl2S67の順にtargetのバンドサイズが大きくなるが、歯牙および血痕を用いた検査においては、総じてtargetの小さいものほど物体検査における検出効率が高い傾向を示した。また非ヒト霊長類の塩基配列変異にはいくつかの4塩基単位が一塊となって重複したと思われるものが存在し、ヒトにおいても同様の変異が起こりうることを示唆していた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yoichi Hanaoka et al.: "D4S43 locus DNA typing in the Japanese population and applicarion to teeth with degraded DNA" J Forenc Sci. 43(2). 406-409 (1998)

  • [文献書誌] Kiyoshi Minaguchi: "The DYS19 system in the Japanese population and its detection using teeth as a source of DNA." Bull Tokyo dent Coll. 40(1). in press (1999)

  • [文献書誌] 水口 清他: "霊長類のD12S67 locusおよびD21S11 locus" DNA多型. Vol.6. 110-115 (1998)

  • [文献書誌] 水口 清: "歯科とDNA検査-法医学の立場から-1.いま、なぜDNAなのか?" ザ・クイントエッセンス. Vol.16(10). 33-36 (1997)

  • [文献書誌] 水口 清: "歯科とDNA検査-法医学の立場から-2.DNAの変異と進化および個人識別" ザ・クイントエッセンス. Vol.16(11). 28-31 (1997)

  • [文献書誌] 水口 清: "歯科とDNA検査-法医学の立場から-3.口腔領域に由来する資料からのDN検査" ザ・クイントエッセンス. Vol.16(12). 25-28 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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