研究課題/領域番号 |
09672125
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
久保田 隆朗 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20178049)
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研究分担者 |
久保田 英朗 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (50170030)
佐藤 貞雄 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (00084799)
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キーワード | MMP / 顎関節滑液 / 蛋白分解酵素 / 顎関節円板細胞 |
研究概要 |
[目的] 関節破壊において重要な役割を果たすものとしてプロテアーゼ・サイトカイン・フリーラジカルなどがあり、これら相互作用の解明が顎関節病態の把握に重要と思われる。我々は昨年までにヒト顎関節においてマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP-9:92KDa-gelatinase)の活性増加が顎関節疾患に高値を示すと同時に、炎症性サイトカインの1つで,あるIL-1βも増加することを示した。そこで、本研究では、ラット下顎頭軟骨細胞および円板細胞を分離培養し、その培養上清中のMMPとIL-1の影響を検討した。 [方法] 7週齢wister系ラットの顎関節より分離培養した軟骨細胞および関節円板細胞に無血清下でIL-1α(10〜l00pg/ml)を添加し、24時間培養を行った。その後、SDS電気泳動を応用したエンザイモグラムMMPの検出を行なった。 [結果および考察] 軟骨細胞および円板細胞はMMP-2(72KDa-gelatinase)を恒常的に産生していたが、MMP9は円板細胞のみに検出された。さらにIL-1α刺激により両細胞ともMMP-9を産生し、その活性は増強された。 以上の結果より、ヒト顎関節疾患におけるMMP-9は主に円板細胞由来と考えられ、IL-lαなどの刺激によりその活性が増強されることがわかった。今後、他のサイトカインおよび臨床病態とMMPとの関係を検討する予定である。
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