掲題研究の平成9年度研究計画の要点は、1)計測対象者(患者)固定装置の製作、2)3次元計測器Microscribe-3Dとコンピュータの連結、3)計測データ加工処理用ソフトウェアの開発、4)装置システムの試験操作であったが、研究はほぼ予定通りに進められた。その概要および試験計測の結果については、『チェアサイド頭蓋顔面歯槽部計測システムの試み-Part:Non-Radiographic Direct Cephalometrics-』と題して、平成9年12月19日の鶴見大学歯学会第46回例回に於いて報告した。目下平成9年度の成果を考察し、平成10年度研究計画実施に向けて工夫および改善点の検討中である。すなわち、1)固定装置については、本研究費にて購入した計測時の患者固定用チェアの実用性が証明されると同時に、安定した頭部保持にための頭部固定補助具の開発の必要性が明らかとなった。現在プロトタイプの補助具を製作中である。2)コンピュータとの連結は極めてスムーズに行われた。3)開発した計測データ処理用ソフトウエアは、主に骨格性角度計測項目を中心に7項目のみ算出する程度の小規模なスケールであったが、4)試験計測では誤差が小さく、比較的良好な結果が得られたため、目下計測項目の大幅拡充を目指したプログラミングに取り組んでいるところである。従って来年度中には、多目的に利用できるシステムの完成が見込まれる。
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