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(1)Neocarzinostatin(NCS)生産菌の菌体成分よりNCS-Chromophore(NCS-chr)の中間体の単離精製および構造解析によりNCS-chrの生合成経路を推定
Bligh-Dyer法に従い、NCS生産菌の凍結乾燥菌体から抽出した総脂質画分をNCS-chrの部分構造であるナフタレンカルボン酸(2-hydroxy-7-methoxy-5-methyl-1-naphthalenecarboxylic acid)の紫外線吸収(340nm)でモニターしながらナフタレンカルボン酸に結合した成分を単離精製した。これらは不飽和脂肪酸に結合しているナフタレンカルボン酸であることが予想されている。また、他にもNCS-chrのプリカーサーと思われる化合物が得られている。これらの構造を決定中である。これらが明らかになればNCS-chrの生合成経路をある程度推定できるものと考えられる。
(2)NCS-chr誘導体の生産条件の検討ならびにNCS-chr生合成阻害剤のスクリーニング
NCS生産菌を種々の培養条件(温度、培地)で培養し、NCS蛋白(apo-NCS)に結合せずフリーの状態で生産される抗菌活性を有するNCS-chrの類似物質が部分精製された。この化合物はUV、NMR、IR等から、やはり脂質の誘導体と思われる。現在、培養条件が必ずしも良いとはいえないのでさらに検討する。また、クロラムフェニコール、ピューロマイシンはNCS-chrの生合成を阻害することがすでに判明している。今後、NCS-chrの生産を阻害する物質のスクリーニングの実施も検討したい。さらに、これらの菌体はNCS-chrの中間体を蓄積する可能性が大であるのでこれらの菌体成分の精製および構造解析を行い、生合成過程解明の一助としたい。
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