研究課題/領域番号 |
09672160
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
佐野 武弘 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (00077520)
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研究分担者 |
堀口 よし江 昭和薬科大学, 薬学部, 助教授 (70190254)
戸田 潤 昭和薬科大学, 薬学部, 助教授 (90188756)
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キーワード | テトラヒドロイソキノリン / パーキンソン病 / Pummerer反応 |
研究概要 |
テトラヒドロイソキノリン類は植物界においてはアルカロイドとして、また哺乳動物の脳内アミンとして存在し、種々の生理作用を有していることが知られている。特に、脳内アミンの中にはパーキンソン病の症状を誘起するもの、またその発症を抑制するものなどがある。発症化合物として、salsolinol、1-benzylTIQ、1-phenylITQなどが知られている。また、1-MeTIQはその発症を抑制する特異な化合物とし下注目をされている。これらの化合物の合成にはPictet-Spengler、Bisher-Napieralski、Pomeranz-Fritschなどの従来からよく知られた方法が存在するけれども、芳香環に電子供与性の活性基を有しないときは、その合成が困難とされている。そこで、我々はテトラヒドロイソキノリンの合成法としてPummerer反応を利用した新しい合成法を検討した。本方法は上記の脳内アミンの合成ばかりでなく、一般合成法として1)芳香族アルデヒド、芳香族ケトンおよびアリルメチルアミンなどの種々の市販の化合物を利用できること、2)各スッテプにおける操作が簡単であること、3)Pummerer反応による環化が極めて緩和な条件下で進行すること、4)高効率的であること、5)標識化合物の合成が容易であること、6)キラルアミンの原料使用して、キラルなテトラヒドロイソキノリンの合成が可能であること、7)テトラヒドロイソキノリン環の芳香環の上に種々の置換基を痔つ誘導体の合成が可能であること、などの利点を有していることが明かとなった。現在種々の脳内テトラヒドロイソキノリンのTIQ類似化合物合成と薬理試験を行っている。
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