研究概要 |
1. ポリヒドロキシホスホネートの不斉合成:種々の1(E)-アルケニルホスホネートのAD-mix試薬による不斉ジヒドロキシ化反応によりスレオα,β-ジヒドロキシホスホネートを得た。芳香環と共役したアルケニルホスホネートの場合には高いエナンチオ選択性を示した。1位に酸素官能基を有する2(E)-アルケニルホスホネートのAD-mix試薬による不斉ジヒドロキシ化反応の速度論的不斉ジヒドロキシ化反応を応用しポリヒドロキシホスホネートの新しい不斉合成法を確立した。 2. リン酸化チロシンの安定類縁体の不斉合成:p位にCH_2PO(OEt)_2あるいはCF_2PO(OEt)_2を有する2-ベンジル-1,3-プロパンジオールおよび相当するジアセテートのリパーゼ触媒下の不斉アシル化反応あるいは不斉加水分解反応により高エナンチオ選択性で得たモノアセテート体からホスホノメチレンフェニルアラニン(Pmp)、ジフルオロホスホノメチレンフエニルアラニン(F_2Pmp)および相当するβ-アミノ酸に誘導した 3. プリンヌクレオチドホスホリラーゼ(PNP)阻害剤の合成:グアニンおよびヒポキサンチンと無機リン酸のミミック部分を二重結合あるいはトランスシクロプロパン環で配座固定したアルキルスペーサーで連結したヌクレオチドアナログ合成した。二重結合の幾何異性体間ではPNP阻害活性に有意の活性は認められなかった。トランスシクロプロパン環で配座固定した誘導体ではPNP阻害活性は上昇した。シクロプロピルメチルカルビノール誘導体から得られたヒポキサンチン誘導体はヒポキサンチン部の配座自由度が制限されることにより、PNP阻害能(IC_<50>)が向上することが明らかとなった。 4. リン酸部修飾ヌクレオチドアナログの合成:鍵反応としてラジカル環化反応を応用してデオキシリボース-3-リン酸のメチレンホスホナートアナログおよびホスホノチオエートを高ジアステレオ選択的に合成法した。分子内および分子間N-グリコシル化反応を検討し高いβ-選択的N-グリコシル化反応を確立した。さらに、β-選択的C-グリコシル化反応に応用した。
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