研究課題/領域番号 |
09672163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
田口 武夫 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00016180)
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研究分担者 |
伊藤 久央 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (70287457)
北川 理 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (30214787)
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キーワード | ジフルオロシクロプロパン / シクロプロピルアニオン / グルタミン酸 / シクロプロピルグリシン / クライゼン転位反応 / ジフルオロケトン / 不斉合成 |
研究概要 |
1 ジフルオロシクロプロパン誘導体の合成 ジフルオロシクロプロパン化による配座固定型グルタミン酸合成への応用などを念頭におき、その基本的な合成手法としてこれまでに知られていないジフルオロシクロプロピルアニオン種の生成と種々の親電子試薬との炭素-炭素結合形成反応を中心に検討した。その結果、シリル基置換ジフルオロシクロプロパンをアンモニウムフルオリドで処理することにより、アンモニウム塩を対カチオンとするアニオン種が容易に生成し、このものはアルデヒド類と反応して対応する付加体が収率よく得られることを見出した。また、同様な考え方に基づきシクロプロピルアニオン種を経由するメチレンジフルオロシクロプロパン誘導体の新規で有用な合成法を確立することが出来た。本反応を利用して、脂肪酸代謝に関与する酸化酵素に対して阻害活性を有する(メチレンシクロプロピル)グリシンのフッ素アナログの合成に成功した。 2 不斉クライゼン転位反応の開発 クライゼン転位反応は古くから知られている有用な反応であるが、エナンチオ選択的な反応への展開は極めて限られている。申請者は転位基質中にキラルなルイス酸との結合部位を導入して効果的な不斉環境の構築を行うことにより、反応の促進と効率的な不斉誘起が発現されるとの作業仮説に基づいて検討した。その結果、基質としてオルトアリルオキシフェノール誘導体をさらにルイス酸としてキラルなエチレンジアミン誘導体を有するホウ素試薬を用いて検討したところ、反応は高収率、高エナンチオ選択性で進行することを見出した。さらに、類似の構造を有するジフルオロビニルアリルエーテル誘導体のエナンチオ選択的なクライゼン転位反応を検討し良好な結果を得た。
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