研究概要 |
下記の植物について化学成分を検索し,新規アクリドン,クマリン,カルバゾール,デプシドン,キサントン骨格をもつ化合物を単離し,二次元NMRスペクトルの解析などにより,その構造を明らかにした. 1.ミカン科Citrus属植物 (1)Citrus paradisi Macf.(Marsh grapefruit):新しい二量体クマリン2種marshdimerin,bisosthenon-Bを単離,構造決定. (2)C.paradisi Macf.×C.tangerina Hort ex Tanaka(Yalaha):新しいアクリドン・クマリン二量体2種neoacrimarine-F,-Gを単離,構造決定. 2.ミカン科Clausena属植物 (1)Clausena anisata(Willd.)Oliv.(タイ国産):新しいカルバゾールアルカロイド3種clausamine-A,-B,-Cを単離,構造決定.ラクトン環をもつカルバゾールアルカロイドとして天然より最初の例. (2)Clausena lansium(Lour.)Skeels(ワンピ):小枝部より,新しいフロクマリン3種lansiumarin-A,-B,-Cを単離,構造決定. また,葉部より,新しいフロクマリン1種,カルバゾール2種を単離,構造決定. 3.オトギリソウ科Calophyllum属植物 Calophyllum inophyllum L.(シンガポール産):新しい4-フェニルクマリン2種を単離,構造決定. 4.オトギリソウ科Garcinia属植物 G.assigu Lantb.,G.dulcis(Roxb.)Kurz.,G.latissima Miq.(パプアニューギニア産):新しいデプシドンgarcinisidone-Aをはじめ,新しいキサントン10種を単離,構造決定. 5.ミカン科Murraya,Glycosmis属植物などについて,化学成分検索を継続中.
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