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1997 年度 実績報告書

超不安定反応活性種オキシラニルアニオンを用いる有機合成

研究課題

研究課題/領域番号 09672175
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名城大学

研究代表者

森 裕二  名城大学, 薬学部, 助教授 (40121511)

キーワードオキシラニルアニオン / アルキル化 / 6-エンド閉環反応 / テトラヒドロピラン / エポキシスルホン / ポリ環状エーテル / ヘミブレベトキシンB
研究概要

エポキシドは親電子剤として有用な官能基であり、とりわけ不斉エポキシ化反応が開発されて以来その合成化学的重要性はますます増大している。これに対し、エポキシドを求核剤として用いる有機合成はこれまでほとんど例がない。本研究では、これまでその超不安定性のために注目されていなかった求核試薬としてのエポキシドすなわちオキシラニルアニオンの合成化学的有用性を開拓する目的で、スルホニル基で安定化されたオキシラニルアニオンのアルキル化とその生成物の合成化学的応用に関する研究を実施した。
1.オキシラニルアニオンのアルキル化
スルホン置換エポキシドに-100℃でn-ブチルリチウムを作用させると、瞬時にオキシラニルアニオンが発生する。このアニオンはアルデヒド、ケトン、ハロゲン化アルキルと反応し、オキシラン環上で直接炭素-炭素結合を形成する。今回の研究でアルキルトリフレートを用いると収率良くカップリング体が得られることが判明した。
2.環状エーテル合成への応用
オキシラニルアニオンの合成的有用性を開拓するために、ポリ環状エーテル海洋天然毒の基本構造であるテトラヒドロピランの合成を行った。光学活性二置換および三置換エポキシスルホンを合成し、それらのアニオンと単環性トリフレート誘導体とをカップリングしてヒドロキシエポキシスルホン化合物を得た。ついで、酸による6-エンド閉環反応を行うと、用いたエポキシスルホンの置換様式によってトランス縮環したビステトラヒドロピランおよび縮環部位にメチル基が置換したビステトラヒドロピランを効率良く合成できることが判明した。本研究成果をもとに、ポリ環状エーテル海洋天然毒ヘミブレベトキシンBの合成研究を行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 森 裕二: "求核性エポキシドとしてのオキシラニルアニオンの発生と反応" 有機合成化学協会誌. 55. 26-35 (1997)

  • [文献書誌] Yuji Mori: "Reiterative Synthesis of Trans-Fused Tetrahydropyrans Using Oxiranyl Anion" Chem.Eur.J. 3. 849-852 (1997)

  • [文献書誌] Yuji Mori: "Oxiranyl Anions in organic Synthesis:Application to the Synthesis of Hemibrevetoxin B" J.Am.Chem.Soc.119. 4557-4558 (1997)

  • [文献書誌] Yuji Mori: "Stereoselective Synthesis of the 6,7,6- and 6,7,7-Ring System of Polycyclic Ethers by 6-endo Cyclization and Ring Expansion" Tetrahedron. 53. 12917-12932 (1997)

  • [文献書誌] Yuji Mori: "Oxiranyl Anions as Nucleophilic Epoxides:Reactions and Synthetic Applications" Rev.Heteroatom Chem.17. 183-211 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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