研究概要 |
1.前年度迄合成した19-deoxo-Gal型の蛍光標識ジベレリン及びフォトアフィニティー標識ジベレリンをプローブとして、大麦種子のアリューロン細胞プロトプラストを植物材料に用い、その受容体タンパク質を含むジベレリン結合タンパク質を単離・同定する研究は他機関の研究者との共同研究にて現在進行中である. 2.GA-dexamethasone hybrid ligand合成の予備実験として、ジャスモン酸-dexamethasone hybrid ligandを合成した.本化合物は、イネのPAL活性発現を指標に活性を評価し、現在、その発現に関わるジャスモン酸受容体の探索研究に使われている. 3.化学的に安定である芳香化ジベレリンを受容体認識部位とするプローブの合成は現在進行中である.又、その活性はシロイヌナズナの下胚軸伸長活性を指標として検定した. 更に、GAプローブ合成手法を、近年、植物成長調節物質として注目されているジャスモン酸及び植物ホルモンであるブラシノステロイドの受容体機構探索分子の合成にも拡張すべく、前年度に引き続き、その構造活性相関研究を行った。その中で、天然ブラシノステロイドの中で活性本体と考えられているブラシノライドの代謝候補化合物として、14-,20-,25-,26-及び28-水酸化ブラシノライドを合成した.これにより、ブラシノライドの水酸化は不活性化であることを明らかにすると共に、プローブ合成時の修飾位置についての知見を得た.又、ブラシノステロイドのA/Bトランスの立体化学は活性発現に必須であることを確かめた.
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