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1998 年度 実績報告書

α_<1->酸性糖タンパク質が示す不均一性の新規分析システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 09672188
研究機関京都大学

研究代表者

澁川 明正  京都大学, 薬学研究科, 助教授 (30170913)

キーワードα_<1->酸性糖タンパク / キャピラリー電気泳動 / 等電点電気泳動
研究概要

血漿中の代表的な糖タンパク質であるα@@S21@@E2-酸性糖タンパク(AGP)は糖鎖構造の違いに由来するミクロな不均一性を示す。AGPは血中で塩基性薬物と可逆的に結合(タンパク結合)し、薬物の体内動態や薬理効果発現に影響する。AGPは病態時にミクロ不均一性が変動するので、AGPのミクロ不均一性の簡便な分析法の開発が望まれている。一方、キャピラリー等電点電気泳動法(CIEF)は、タンパク質をその等電点に基づいて分離する“高分離能"なキャピラリー電気泳動技術である。CIEFでは0.02しか等電点が違わないタンパク質の分離が可能であり、構造が類似したタンパク質変異体の分離分析に有力な方法であると期待されている。そこで本研究は、CIEFを用いてAGP糖鎖末端シアル酸残基の相違に由来するミクロ不均一性の簡便な分析法の開発を試みた。更に、AGPの糖鎖構造の違いが薬物結合性に及ぼす影響を調べた。
キャピラリー(全長52cm、内径0.075mm)内に1%のアンフォライト水溶液を満たした後、AGP溶液(0.3g/L〜1.5g/L)を1秒間吸引注入し、+13kVで7分間フォーカシングを行ったところ、AGPは等電点の違いに基づいて8本のピークに分離された。移動時間は良好な再現性(CV=0.5%〜1.09%、n=15)を示した。また、総ピーク面積や各ピークの相対ピーク面積も良好な再現性を示した。更に、生理的血漿中濃度をカバーする濃度範囲(0.3g/L〜l.5g/L.)で検量線は良好な直線関係を示した。
次に、コンカナバリンA固定化カラムを用いて2本鎖糖鎖を有するAGPと2本鎖糖鎖を持たないAGPを分離生成し、AGPと強く且つ立体選択的に結合することが知られているベラパミルやプロプラノロールとの結合性を比較したところ、その結合性に顕著な違いは見られず、AGP糖鎖の分枝構造はこれら薬物との立体選択的結合に影響しないことが判明した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yukihiro Kuroda,Akimasa Shibukawa,Terumichi Nakagawa: "The role of Branching Glycan of Human α_<1->Acid Glycaprotein in Enaメticselective Binding to Basic Drugs os Studied by Capillary Electrophoresis" Analytical Biochemistry. 267. 9-14 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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