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1998 年度 実績報告書

プラズマ化学による新しい機能性複合粉末の創製とドラッグ工学への応用研究

研究課題

研究課題/領域番号 09672191
研究機関岐阜薬科大学

研究代表者

葛谷 昌之  岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (10082984)

研究分担者 近藤 伸一  岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (90240944)
キーワードプラズマ照射 / フリーラジカル / ESR / メカノケミストリー / 固相反応 / 架橋反応 / DDS / ポリエチレン
研究概要

プラズマ照射低密度ポリエチレン(LDPE)に生成するラジカルのESRスペクトル解析を、高密度ポリエチレン(HDPE)の結果と比較して行った。プラズマ照射しDPEのESRスペクトルはHDPEのスペクトルパターンと大きく異なっていた。組織的なシミュレーション解析の結果、両者の構成ラジカルは本質的には同じであるものの、HDPEは主鎖型ラジカルが最大の構成成分であるのに対し、LDPEは架橋部位に生成するダングリングボンド(DBS)であることを明らかにした。
また、多糖類へのプラズマ照射効果に関する基礎知見を得るため、プラズマ照射二糖類(マルトースおよびセロビオース)に生成するラジカルのESRスペクトル解析を行った。詳細なESRスペクトル解析の結果、両者の構成ラジカルを明らかにするとともに、アノマー構造の差異によるESRスペクトル外形の変化や反応性の違いを明らかにした。
応用研究として、プラズマ照射高分子粉末と薬物とのメカノケミカル反応によるラジカル再結合を利用した新規マトリックス型DDSの開発を試みた。まず、プラズマ照射ポリエチレンのメカノケミカル再結合反応について検討した。その結果、メカノケミカル反応により容易にラジカル再結合することを明らかにし、かつ主鎖型ラジカルに比べDBSの方が速やかに反応することを見い出した。この知見を基に、プラズマ照射ポリエチレンと薬物とのメカノケミカル反応を実施し、その粉末試料からの薬物放出性について検討した。プラズマ照射試料からの薬物放出は、未処理試料に比べ有意に徐放化されており、固体間架橋反応によるマトリックスが形成されていることを明らかにした。本方法は、高分子基材のプラズマ照射効果を考慮することにより幅広い高分子に適用可能であり、かつ、完全乾式過程におけるマトリックス型DDS構築法として極めて有用であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Masayuki Kuzuya: "Plasma-induced Surface Radicals of Low Density Polyethylene(LDPE)Studied by Electron Spin Resonance." Macromolecules. 31. 3225-3229 (1998)

  • [文献書誌] Masayuki Kuzuya: "Peroxy Radical Formation from Plasma-Induced Surface Radicals of Polyethylene as Studied by Electron Spin Resonance." Macromolecules. 31. 3230-3234 (1998)

  • [文献書誌] Masayuki Kuzuya: "Plasma-Induced Free Radicals of Polycrystalline Dicarbohydrates Studied by Electron Spin Resonance." Thin Solid Films. 316. 158-164 (1998)

  • [文献書誌] Masayuki Kuzuya: "Nature of Auto-Oxidations on Plasma-Induced Surface Radicals of Aromatic Ring-Containing Polymers as Studied by Electron Spin Resonance." J.Photopolym.Sci.Technol.329-332 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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