研究概要 |
ピリドキサールを補酵素とする酵素,その化学モデル共に,補酵素のアルジミン型シッフ塩基よりキノノイド中間体の生成が"key step"である.メタノール溶液中の金属キレート触媒の化学モデルにおいて光学活性アルジミンのこの段階の反応を紫外部吸収とともに旋光度,NMR測定により動力学的に追跡した.従来の知見よりキノノイドモデル化学種が長寿命になる条件を選定し,Al(III)キレートおよびCu(II)-terpyridine三元錯体として単離に成功した.ピロロキノリンキノン(PQQ)および類似のフェナントロリンキノンとピリドキサミンからキノノイド吸収をもつ結晶を単離した.これは金属キレートでない最初のキノノイドモデルであり,酸素が存在する場合はピリドキサールを生成することから,PQQによるアミンオキシダーゼのモデルと考えることもできる.これらの結晶の解析よりキノノイド構造を研究した.
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