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1999 年度 実績報告書

癌の局所化学療法のための生体内崩壊性・短時間放出制御型マイクロカプセル化製剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09672204
研究機関神戸学院大学

研究代表者

山岡 由美子  神戸学院大学, 薬学部, 教授 (30102924)

研究分担者 福森 義信  神戸学院大学, 薬学部, 教授 (60102927)
キーワードがん治療 / 局所化学療法 / マイクロカプセル / レシチン / 放出制御 / アドリアマイシン / コーティング / 流動層
研究概要

[1]抗がん剤封入マイクロカプセルの調製:前年度検討の結果から有望視された大豆レシチン(SL),コレステロール(CH),ステアリン酸(SA),ポリビニルピロリドン(PVP)の重量比5:5:2:5の膜処方を選択し,抗がん剤アドリアマイシ含有マイクロカプセル(ADR-MC)を調製した。前年度開発した異径二成分系希釈法に基づき,アドリアマイシン粉末0.9gを乳糖核粒子(75-90μm)0.7gに結合剤PVPを介して手作業で固定し,希釈乳糖(44-53μm,24g)とともに噴流層コーティングを行うことによって,薬物含量最高30%,粒子径106-149μmのアドリアマイシン含有レシチン膜マイクロカプセルの調製に成功した。
[2]ADR-MCのin vitro特性評価:ADR-MCからのADRの放出は2分から10分程度のラグタイムを有する短時間遅延放出を示すことが判った。コーティング量を調節することでラグタイム及びその後の放出速度が調節可能であった。また,低温間欠加熱滅菌(80℃で30分加熱を4回)したマイクロカプセルは日本薬局方無菌試験法に適合し,滅菌による溶出挙動の変化はごく僅かであった。ヒト血漿中では被膜が30分程度で分散消失することが確認された。
[3]ADR-MCのin vivo特性評価:ADR-MCを正常ラットの肝動脈注入した後の静脈血中へのADRの漏出をモニターしたところ,ADR水溶液投与では初期血中濃度が著しく高く,その後急速に減衰していく動態を示したのに対し,ADR-MCでは投与後初期にはADRの漏出が有意に低く抑えられ,その後徐々に血中濃度が上昇し,1時間をピークにして次第に減哀する動態を示し,in vitroでの放出挙動をよく反映する結果が得られた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kaori Jono: "A Review of Particulate Design for Pharmaceutical Powders and Their Production by Spouted Bed Coating"Powder Technology. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] 宮本雅仁: "粒子径と表面特性による微粒子の体内動態制御を利用したがん治療"化学工学. 63(10). 567-572 (1999)

  • [文献書誌] Masao Hamuro: "New oily agents for targeting chemoembolization for hepatocellular carcinoma"Cardiovascular and Interventional Radiology. 22. 130-134 (1999)

  • [文献書誌] 福森義信: "流動層ハンドブック"培風館. 432 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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