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1998 年度 実績報告書

ATPに対する新規P_2型プリン受容体の同定とクローニング

研究課題

研究課題/領域番号 09672208
研究機関北海道大学

研究代表者

村山 俊彦  北海道大学, 大学院薬学研究科, 助教授 (90174317)

キーワードATP / プリン受容体 / PC12細胞 / グリア細胞 / GTP結合蛋白質 / ARF / NO / S-ニトロソシステイン
研究概要

1) ラット副腎髄質由来の神経細胞株であるPC12細胞で,ATP受容体刺激によって,神経伝達物質ノルアドレナリン放出と共に,低分子量GTP結合蛋白質ARFが細胞膜両分に移行する事を見いだした。ARFの移行も伝達物質放出も細胞外Caに依存していた。またコレラ毒素と24時間培養し,内在性のGsやARFをADPリポシル化した場合には,ATP受容体刺激やKC1脱分極刺激による伝達物質放出が減少し,ATP受容体刺激にARFの移行が関連することを明らかにした。
2) PC12細胞でのATP受容体刺激は,細胞外からのCa流人を促進させた。一酸化窒素(NO)のチオール型誘導体であるS-ニトロソシステインは,高濃度でこのATP作用を減少させた。一方,カフェインによるリアノジン受容体を介した細胞内CaプールからのCa動員は低濃度S-ニトロソシステインにより完全に消失した。またムスカリン受容体刺激によるIP3受容体を介した細胞内CaプールからのCa動員は高濃度のS-ニトロソシステインにより減少した。この結果は,ATP受容体に連関しているCaチャネル活性がNOにより調節されることを示している。
3) ラット初代培養グリア細胞において,リポポリサッカライド(LPS)やサイトカイン刺激によって誘導型NO合成酵素(iNOS)の発現誘導が見られる。ATPと培養したグリア細胞では,LPSやサイトカイン刺激によるiNOS誘導が著しく増強されることを見いだした。このATP受容体を介した作用には,プロテインキナーゼCの活性化が必須であった。MAPキナーゼ群のうちERKやp38キナーゼは関与していないと考えられた。またATP受容体は核内転写因子NFκBの活性化を促進していることが推定された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Murayama,T.: "P2 receptor-mediated inhibition of adenylyl cyclase in PC12 cells." Eur.J.Pharmacol.348. 71-76 (1998)

  • [文献書誌] Murayama,T.: "Exocytotic stimulation promotes association of the ADP-ribosylation factor with PC12 cell membranes." Arch.Biochem.Biophys.354. 144-150 (1998)

  • [文献書誌] Yoshinaga,N.: "Death by a dopaminergic neurotoxin,1-methy1-4-phenylpyridinium ion (MPP+) and protection by EGF in GH3 cells." Brain Res.794. 137-142 (1998)

  • [文献書誌] Miyakoshi,M.: "Regulation of cyclic GMP and cyclic AMP production by S-nitroso-cysteine in rat thymocytes." Eur.J.Pharmacol.359. 235-241 (1998)

  • [文献書誌] Naganuma,T.: "Regulation of noradrenaline release by S-nitroso-cysteine : inhibition in PC12 cells in a cyclic GMP-independent manner." Eur.J.Pharmacol.361. 277-283 (1998)

  • [文献書誌] Naganuma,T.: "Modifications of Ca2+ mobilization and noradrenaline release by S-nitroso-cysreine in PC12 cells." Arch.Biochem.Biophys.(in press). (1999)

  • [文献書誌] 村山俊彦, 野村靖幸: "アデノシンレセプター. 続-心臓代謝実験法 (永野充,今井昭一編)" 六法出版社, 87-93 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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