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1999 年度 実績報告書

薬物性肝障害の発現に関与する炎症・免疫性因子の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 09672209
研究機関昭和薬科大学

研究代表者

北條 博史  昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (90004621)

キーワード肝障害 / インターロイキン-6 / dexamethasone / 四塩化炭素 / ラット
研究概要

前年度に引き続き、薬物性肝障害の発症における炎症・免疫性因子、特にインターロイキン(IL)-6の介在性について、ラット四塩化炭素(CCl_4)肝障害モデルで検討した。四塩化炭素をラットの皮下あるいは腹腔内に投与すると、それぞれ8時間及び4時間の比較的早期に血中にIL-6のピークが観察されたが、経口投与ではこの時期にはIL-6の誘導は起らなかった。肝酵素の血中逸脱は投与経路によって異なるが、ピークは24〜48時間であり、経口投与では皮下および腹腔内投与に場合に比ベピーク時の肝酵素レベルは高値であった。同時にHE染色で肝組織像を顕微鏡観察したところ、組織障害は肝障害マーカー酵素の上昇と同様に見られた。皮下投与系で四塩化炭素を投与する際、四塩化炭素に対する溶媒(コーンオイル)量を増加させると、IL-6の誘導は低下し、逆に肝酵素の血中レベルは上昇した。また四塩化炭素を皮下または腹腔内投与する数時間前にdexamethasoneを投与すると、1mg/kg量で四塩化炭素によるIL-6の誘導は著しく低下したが、逆に肝酵素のレベルは顕著に上昇した。一方IL-6誘導が引き起こされない四塩化炭素経口投与系でもdexamethasone投与により肝酵素の上昇は起ったが、その程度は小さかった。
以上の結果は四塩化炭素によるIL-6の誘導と肝障害の間に密接な逆相関性が存在することを示すものであり、四塩化炭素の皮下あるいは腹腔内投与後初期に誘導された内因性のlL-6が、肝障害の進展に抑制的に働く可能性を示している。本研究成果は肝障害機構に関する新しい知見を含むとともに、薬物性肝障害モデルを使用する上で重要な考慮点を提出している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M. Yamaguchi, D. Kambayashi, J. Toda, T. Sang, S.Toyoshima, H. Hojo: "Acetylleucine chlorine Hyl ketene, an inhibition acetylteltide hyctrolase, induces apoptosis of U937 cells"Biochemical and Biophysical Research Communications. 263.1. 139-142 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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