1. プトレスシン取り込み系の基質結合蛋白質(PotF)のプトレスシン結合部位をX線結晶構造解析及びsite-directed mutagenesisにより作製した変異PotFの活性測定より決定した。その結果、2分子のAsp、1分子のGlu、2分子のTrp、2分子のTyr及び1分子のSerがプトレスシンの結合に関与していることが明らかとなった。中でも、Glu185、Trp244、Asp247及びAsp278が重要で、Asp247がプトレスシン特異的な認識に関与していた。 2. 酵母のポリアミン輸送欠損株を用いて、ポリアミン輸送蛋白質遺伝子のクローニングを試みた。その結果、TP01(Transporter for polyamines1)遺伝子のクローニングに成功した。この遺伝子は12膜貫通領域を有する液胞膜上の蛋白質をコードし、この蛋白質は基質としてポリアミンのみを認識した。 3. スペルミジン優先輸送系は基質結合蛋白質(PotD)、2種の膜貫通蛋白質(PotBとPotC)、及び膜表在性ATPase(PotA)より成り、その遺伝子はオペロンを形成している。このオペロンの遺伝子発現はPotDとスペルミジンにより負の調節を受けること、PotDのプロモーター上の結合部位及びプロモーター領域への結合に関与するPotD上のアミノ酸残基を同定した。 4. プトレスシン・オルニチンアンチポータ(PotE)のトポロジーを、アルカリフォスファターゼとβ-ガラクトシダーゼとの融合蛋白質を作製して決定した。また、細胞質側に存在するGlu77、Glu207、Glu433が触媒部位を形成することを明らかにした。更に、PotEは膜電位依存性の取り込み活性を有することを証明した。
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