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1998 年度 実績報告書

脳神経細胞死に対するATP及びプリン類の保護作用

研究課題

研究課題/領域番号 09672217
研究機関東京大学

研究代表者

西山 信好  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (20201692)

キーワードATP / プリン / 脳神経 / 細胞死
研究概要

一過性の前脳虚血により海馬においてはCAl野に選択的な神経細胞死が観察される。その神経細胞死は虚血負荷時に遊離される興奮性アミノ酸による興奮毒性によるものであると考えられている。そこで本研究の第一段階として,この現象を培養海馬切片を用いて再現,観察することを試みた。生後8日齢のウィスター系ラット脳より海馬を摘出し,厚さ300mmの切片を作成した。これをテフロン膜(ミリセルCM)上に置き,培養液(50%MEM,25%Hanks BBS,25%horse serum)にて培養した。2週間後,細胞死を誘導する目的でNMDA型グルタミン酸受容体の作動薬であるNMDAを短時間添加した(13-100μM,15min)。洗浄後24あるいは48時間後に,プロピニウムイオダイド(5μg/ml)により染色される死細胞を,共焦点レーザー顕微鏡を用いて蛍光強度を測定することにより評価した。NMDAへの15分間の暴露により,濃度依存的,また海馬内の部位特異的な神経細胞死が観察され,CAl野,CA3野,歯状回の順で重篤であった。これにより,前脳虚血による興奮性神経細胞死を培養海馬切片を用いて再現することが可能となった。そこで次に,このNMDA短時間暴露による神経毒性に対するATP及びプリン類の神経保護作用を海馬切片を用いて検討した。ATP及びプリン類(10μM-3mM)はグルタミン酸暴露時間中のみ,グルタミン酸処理後のみ,あるいはその両方の期間適用した。NMDAの適用による海馬神経細胞死に対して,ATPあるいはプリン類の保護作用を検討したが,神経細胞死は海馬内のどの部位においても抑制されなかった。今後は,用いる興奮性アミノ酸をグルタミン酸に代えて再度検討すること,実際のin vivoの前脳虚血実験系を用いてプリン類の作用を検討する予定である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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