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1999 年度 実績報告書

生体防御に関与するコレクチンの発現調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 09672223
研究機関京都大学

研究代表者

川嵜 伸子  京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (70077676)

研究分担者 川嵜 敏祐  京都大学, 薬学研究科, 教授 (50025706)
キーワードマンナン結合タンパク質 / 動物レクチン / コレクチン / ヒト血清 / 遺伝子発現調節 / 遺伝子多型 / クリアランス / オプソニン
研究概要

血清マンナン結合タンパク質(MBP)は、分子内にコラーゲン様構造をもち、マンノース、N-アセチルグルコサミンに特異的なC型動物レクチンである。MBPは補体系の活性化やオプソニン作用をもつ。小児科領域では、重篤な感染症、下痢、発育不全などの症状を示すオプソニン不全症とMBPの関係が注目されている。これらの小児では、MBP遺伝子中の点突然変異のためMBPの正常なオリゴマーが形成されず、さらに、MBPの血中濃度が非常に低いことが明らかになっている。本年度は血清レクチンの発現調節機構解明の一環として、オプソニン不全症とMBPとの関係を明らかにするために、正常型および変異型MBPの代謝的安定性について検討した。
ヒト野生型および変異型MBPをワクシニアウイルス発現系により合成し、精製した。これを^<125>I放射標識したのち、マウスに静脈内投与し、一定時間ごとにマウス血中に存在する放射活性を測定した。その結果、正常型MBPの半減期は6.3時間、変異型の半減期は3.5時間と算出された。すなわち、変異型MBPでは、そのオリゴマータイプが小さいために、より早く血中から消失し、代謝されることが分かった。この知見は、オプソニン不全症の小児では、MBPの血中濃度が低いという調査結果とよく一致していた。
次に、ヒトMBPのプロモーター上の遺伝的多型について研究を行った。近年、ヒトMBP遺伝子のexon1上流に遺伝的多型が2箇所あり、その塩基配列の組み合わせにより、HY、LY、LXの3種類に分類できることが報告されている。さらに、HYの配列をもつヒトでは血清中のMBP濃度が高く、LYでは中くらい、LXでは低いことが明らかとなった。そこでHY、LY、LXの3種類の塩基配列を持つ変異体を作成し、そのプロモーター活性を測定すると、それぞれ高い、中くらい、低い活性を示した。つまり、MBP遺伝子の転写レベルが血清中のMBP濃度を左右することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 内藤はるな: "変異型ヒトMBPの血中クリアランス"第20回糖質シンポジウム抄録. 88 (1998)

  • [文献書誌] Yong Ma: "Antitumor activity of mannan-binding protein in vivo as revealed by a virus expression system : Mannan-binding protein-dependent cell-mediated cytotoxicity"Proc.Natl.Acid.Sci.USA. 96・2. 371-375 (1999)

  • [文献書誌] Haruna Naito: "Characterization of Human Serum Mannan-Binding Protein Promoter"J.Biochem. 126・6. 1004-1012 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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