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1998 年度 実績報告書

肝細胞増殖因子の誘導物質による肝再生促進と肝障害治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09672232
研究機関岡山大学

研究代表者

合田 榮一  岡山大学, 薬学部, 助教授 (20028814)

キーワード肝細胞増殖因子(HGF) / インターフェロン-γ / インターフェロン-α / インターフェロン-β / サイクリックAMP / ヒト皮膚線維芽細胞 / 肝再生
研究概要

先に我々は、ヒト皮膚線維芽細胞並びに種々のヒト白血病細胞株が肝細胞増殖因子(HGF)を産生・分泌することを見出し、これらの細胞を用いてHGF産生制御因子を検索した結果、これまでに誘導因子としてホルボールエステルなどのCキナーゼ活性化剤、8-ブロモ-cAMPやコレラトキシンなどのAキナーゼ活性化剤、EGFやFGFなどの増殖因子及びアスコルビン酸を、また、抑制因子としてTGF-β及びデキサメタゾンを明らかにし、報告した。平成9年度の本研究でHGF産生調節作用を有するサイトカイン、生体内生理活性物質をさらに探索したところ、インターフェロン-γ(IFN一γ)がKG-1並びにRPMI-8226ヒト白血病細胞株がらのHGF産生を強く促進することを見出した。今年度はIFN-γの作用をヒト皮膚線維芽細胞を用いて調べた。その結果、IFN-γは本細胞のHGF産生に対しては弱い誘導作用を示すのみであり、IFN-α及びIFN-βは無効であった。しかし、WN-γは8-ブロモ-cAMPによるHGF誘導を著しく増強した。一方、IFN-α及びIFN-βはこのような増強作用を示さなかったが、IFN-γによる増強を抑制した。このようなIFN-γの増強効果は植IFN-γ中和抗体により完全に阻止された。IFN-γはまた、インターロイキン-1βやcAMPレベル上昇薬であるコレラトキシン、フォルスコリン及びプロスタグランジンE_2によるHGF誘導も増強した。さらにIFN-γはコレラトキシン、フォルスコリン及び8-ブロモ-cAMPによるHGF遺伝子発現のアップレギュレーションを強く増強し、その効果は添加後3時間で認められた。このようなHGF透導剤とIFN-γの相乗作用はすべてのHGF誘導剤で観察されるわけではなく、EGFやCキナーゼ活性化ホルボールエステルのHGF誘導作用はIFN-γにより逆に抑制された。以上のようにIFN-γはヒト皮膚線維芽細胞におけるcAMP誘導性のHGF産生を相乗的に増強し、増殖因子やCキナーゼ活性化によるHGF誘導を抑制することが明らかとなった。また、我々はヒト胎児肺線維芽細胞からのHGF産生は培養内加齢により増加することを報告しているが、これはインターロイキン1によるオートクリンなHGF誘導が原因であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M. Miyazaki et al.: "Increased hepatocyte growth factor production by aging human fibroblasts mainly due to autocrine stimulation by interleukin-1" Biochemical and Biophysical Research Communications. 246(1). 255-260 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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