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1998 年度 実績報告書

中枢神経系における亜鉛の生理的役割の解析と神経変性疾患に対する作用

研究課題

研究課題/領域番号 09672241
研究機関静岡県立大学

研究代表者

武田 厚司  静岡県立大学, 薬学部, 講師 (90145714)

キーワード亜鉛 / 生体微量金属 / 脳 / 神経調節因子 / 神経変性 / グルタミン酸作動性ニューロン
研究概要

本研究は脳内における亜鉛動態の解析に基づき、その生理的役割及び作用の解明をめざしたものである。亜鉛はニューロンのシナプス小胞においてグルタミン酸と共存し(このニューロンを亜鉛含有ニューロンと呼ぶ)、グルタミン酸受容体等に作用することから、神経調節因子として働くと考えられている。これまでに亜鉛が梨状皮質、扁桃核、海馬等の辺縁系に長く滞留し、学習や記憶に深く関与することを示唆した。また、二次嗅覚ニューロン(グルタミン酸作動性)が亜鉛含有ニューロンであることを示唆した。本研究では線条体、黒質からの亜鉛輸送を放射性トレーサーを用いたオートラジオグラフィーの手法により検討した。その結果、亜鉛は線条体-黒質系GABA作動性ニューロン等において軸索輸送によりニューロン内を移動するとともに、シナプス間隙を介して輸送されることが示された。これは、亜鉛が線条体-黒質系GABA作動性ニューロン等の伝達効率を調節している可能性を示唆するものである。一方、6-hydroxydopamineをラットの黒質に投与し、パーキンソン病モデルを作製して、亜鉛動態を検討した。亜鉛は変性したドパミンニューロンが存在する黒質に一時的に集積することが明らかになった。この集積はニューロン変性後のグリア細胞の増殖に関係するものと考えられる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Atsushi Takeda et al.,: "Zinc transport from the striatum and substantia nigra" Brain Research Bulletin. 47. 103-106 (1998)

  • [文献書誌] Atsushi Takeda et al.,: "Distribution of zinc in the substantia nigra of rats treated with 6-hydroxyclopamine" Biological Trace Element Research. 61. 71-78 (1998)

  • [文献書誌] Atsushi Takeda et al.,: "Zinc depletion suppresses tumor growth in mice" Biological Trace Element Research. 59. 23-29 (1998)

  • [文献書誌] 武田厚司: "脳における微量金属の動態と役割に関する研究" Biomedical Research on Trace Elements. 9. 1-11 (1998)

  • [文献書誌] Atsushi Takeda et al.,: "In vivo stimulation-induced release of manganese in rat amygdala" Brain Research. 811. 147-151 (1998)

  • [文献書誌] Atsushi Takeda et al.,: "Manganese concentration in rat brain : manganese transport from the peripheral tissues" Nearoscience Letters. 242. 45-48 (1998)

  • [文献書誌] 武田厚司: "脳におけるバイオメタルの動態と役割" 山口正義編 黒船出版, 26 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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