研究課題/領域番号 |
09672246
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北薬科大学 |
研究代表者 |
沼沢 光輝 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (90006338)
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研究分担者 |
山田 恵子 東北薬科大学, 薬学部, 助手
吉村 明子 東北薬科大学, 薬学部, 助手
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キーワード | アロマターゼ / 阻害剤 / 6-アルキルアンドロゲン / 芳香核化反応 / ガスクロマトグラフィー / マススペクトロメトリー / 乳ガン化学療法剤 |
研究概要 |
アロマターゼ天然基質アンドロステンジオン(AD)のA,B環に二重結合を持つ自殺基質(△^1-ADと△^<1.6>-AD)の作用機構の解明を目的としたが、今年度は以下の実績を得ることができた。 1.△^1ならびに△^<1.6>-ADとそれらの6-アルキル置換体をNADPH存在下種々の条件のもとでヒト胎盤ミクロゾームとともにインキュベートした。得られたアロマターゼ反応成績体(エストラジオールトその△^6-体)をトリメチルシリル化後GC-MSで定量し、これら変換のキネティックス(K_mやV_<max>)を解析した。その結果、△^1-ADはADと同程度に本酵素の優れた基質になりうるが、△^<1.6>-ADについては、基質としての能力はADの1/10であることが判明した。△^1-ADの6α位にメチル基を導入すると、芳香核化速度は約2.5倍上昇したが、6β位では逆に約1/4へと低下した。さらには、いずれにおいても、アルキル基の長さに比例して酵素活性が低下したが、6α-アルキル体は対応する6β-異性体よりも優れた基質であった。ここで、阻害定数(K_i)とK_m値との間に直接的な相関性はみられなかった。一方、△^<1.6>-ADシリーズでは、アルキル基の導入は、芳香核化速度に大きな影響を与えず、K_iとK_mの間に相関性がみられた。これら結果は、△^1-と△^<1.6>-ADシリーズいずれでも、不活性化反応が芳香核化反応に密接に関連していることを示唆するものである。 2.文献既知の方法で得られた19-ヒドロキシADの19-ヒドロキシル基と3と17位のカルボニル基を保護した後、エポキシ化、グリニアル反応に順次付し、得られた生成物の保護基をはずして目的とする19-ヒドロキシ-6β-メチルADを得た。ついでこのものを異性化し6α-体とした。現在、これらの△^1-誘導体への変換と、アロマターゼによる芳香核化反応を検討中である。
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