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1998 年度 実績報告書

出血性大腸菌O-157が産生するベロ毒素による内皮細胞の血栓制御系の破綻機序

研究課題

研究課題/領域番号 09672253
研究機関昭和薬科大学

研究代表者

石井 秀美  昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (50102710)

キーワード出血性大腸菌O-157 / 溶血性尿毒症症候群 / ベロ毒素 / 内皮細胞 / 組織因子 / NFkB / AP-1
研究概要

出血性大腸菌O-157に感染し,溶血性尿毒症(HUS)を併発して,死にいたることがある.私はHUS併発の機序解朋のなかで,昨年度,出血性大腸菌O-157の産生するベロ毒素が内皮細胞で血栓形成を抑制するトロンボモジュリン(TM)の産生を遺伝子転写レベルで低下されると同時に,血栓形成を促進する組織因子(TF)の産生を誘導することを見出し,HUS発症の大きな一因となることを明らかにした.本年度はTFの遺伝子転写がベロ毒素によって,どのようにかく乱されているのかに的を絞り,合わせて,そのかく乱を取り除く予防および治療薬となる薬物を検索した.
I. ベロ毒素による培養内皮細胞のTF遺伝子の転写促進機序
1. ベロ毒素によるTF発現誘導は,内皮細胞のベロ毒素刺激によって,P65/P50のへテロダイマーが形成されて転写因子NFκBを,c-Jun/Jun-Dのヘテロダイマーが形成されて転写因子AP-1を活性化し,活性化された両転写因子がTF遺伝子のプロモーター領域に結合して,転写を促進する機構によることを明らかにした.
II. ベロ毒素によるTF遺伝子の転写促進を制御できる薬物の検索
1. レチノイン酸やcAMPはベロ毒素によるTFの発現促進を抑制することはなかった.
2. ベロ毒素によるTF遺伝子の転写促進は活性酸素除去剤で抑制出来なかったが,カレー粉の主成分であるクルクミンによって抑制されることを明らかにした.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yoshitaka Hosaka: "Thrombomodulin in humma plasma contributes to inhibit fibrinolysis through acceleration of thrombin-dependentactivation of plasma procarboxypeptidase B." Thromb. Haemost.79(2). 371-377 (1998)

  • [文献書誌] Masahiko Nakano: "Characterization of soluble thrombomodulin fragments in human urine." Thromb. Haemost.79(2). 331-337 (1998)

  • [文献書誌] Gen Tohda: "Expression of thrombomodulin in atherosclerotic lesions and mitogenic activity of recombinant thrombomodulin in vascular smooth muscle cells." Arterioscler. Thromb. Vasc.Biol.18. 1861-1869 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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