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1998 年度 実績報告書

ペルオキシソーム膜ABC transporterの構造・機能と細胞内脂質代謝制御

研究課題

研究課題/領域番号 09672255
研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

今中 常雄  富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (50119559)

キーワードペルオキシソーム / ABCトランスポーター / PMP70 / ALDP / ATP / 脂質輸送 / アシル-CoA / 脂肪酸β酸化
研究概要

ペルオキシソーム膜ABCtransporterに属する、70kDaペルオキシソーム膜タンパク質(PMP70)の機能を明らかにすることを目的として、野生型ならびに部位特異的変異PMP70を過剰発現したCHO細胞を用い、脂肪酸β酸化能等を解析した。その結果、以下に示す新たな知見を得た。
1. 野生型PMP70過剰発現細胞において、palmitic acidのβ酸化が約3倍亢進した。一方、ABCtransporterにおいてよく保存されている、EAA like motif、Walker A、B motifに変異を導入したPMP70過剰発現細胞では、palmitic acidのβ酸化が顕著に抑制された。さらにdigitonin処理によりsemi-intact細胞を作製し、palmitoyl-CoAを基質とし脂肪酸β酸活性を測定すると、上記intact細胞と同様の結果が得られた。
2. ペルオキシソームで選択的に代謝されるロイコトリエンについても、PMP70過剰発現によりその代謝が促進された。
3. PMP70過剰発現のペルオキシソームの形態に与える影響を、野生型、変異型PMP70過剰発現ならびに対照細胞を用い、免疫電顕と蛍光抗体法で解析した。その結果、どの細胞においても、ペルオキシソームの数や大きさのほとんど変化がなく、PMP70誘導はペルオキシソーム形成には必須でないことが明らかとなった。
以上の結果より、PMP70は長鎖acyl-CoAやロイコトリエンの輸送に関与し、ペルオキシソームでの脂質代謝に重要な役割を担っていることが強く示唆された。またもう1つのペルオキシソーム膜ABCtransporter、ALDPについても過剰発現CHO細胞を作製した。ALDPの解析は今後の課題である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Imanaka,T.: "Characterization of the 70-kDa peroxisomal membrane protein,an ATP-binding cassette transporter" J.Biol.Chem.in press. (1999)

  • [文献書誌] Imanaka,T.: "The 70-kDa peroxisomal membrane protein (PMP70),an ATP-binding cassette transporter" Cell Biochem.Biophys.in press. (1999)

  • [文献書誌] 今中 常雄: "ABCタンパク質とペルオキシソーム病" 最新医学. 54・3. 434-440 (1999)

  • [文献書誌] Kinoshita,N.: "Newly identified chinese hamster ovary cell mutants are defective in biogenesis of peroxisomal membrane vesicles" J.Biol.Chem.273・37. 24122-24130 (1998)

  • [文献書誌] Imamura,A.: "Temperature-sensitive phenotype of peroxisomal-assembly processes represent the milder forms of human peroxisome-biogenesis disorders" Am.J.Hum.Genet.62・6. 1539-1543 (1998)

  • [文献書誌] Shimozawa,N.: "Genetic basis of peroxisome-assembly mutants of human,chinese hamster ovary cells and yeast" Am.J.Hum.Genet.63.6. 1898-1903 (1998)

  • [文献書誌] 今中 常雄(分担): "分子生物学(第3章 細胞構造) 印刷中" 丸善株式会社, (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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