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1998 年度 研究成果報告書概要

酸化タンパク質を分解するプロテアーゼの構造と機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09672256
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 生物系薬学
研究機関東京薬科大学

研究代表者

別府 正敏  東京薬科大学, 薬学部, 教授 (60114633)

研究期間 (年度) 1997 – 1998
キーワードプロテアーゼ / セリンプロテアーゼ / 酸化ストレス / ACPH / タンパク質分解 / 赤血球プロテアーゼ / グリーケーション / 酸化タンパク質
研究概要

本研究では、我々が見出し精製に成功した、酸化タンパク質を選択的に分解するヒト赤血球のセリンプロテアーゼ(Oxidized Protein Hydrolase:OPH)につき、一次構造および機能に関する研究を行い、以下の成果を得た。
1. 一次構造に関する研究
すでに確立した方法でヒト赤血球細胞質から本酵素を精製し、エンドペプチダーゼにより限定分解し、数種類のペプチド断片を分離精製した。これらのペプチドのアミノ酸配列を決定し、既知タンパク質とのホモロジーを検索したところ、ヒトのアシルペプチド分解酵素(Acylpeptide Hydrolase:ACPH)とホモロジーが極めて高いことが判明した。そこで、本酵素(OPH)とヒトACPHが同一酵素である可能性を検討するために、ヒトACPHの塩基配列に基づいて作製したプライマーオリゴヌクレオチドを用いてヒト赤芽球系培養細胞K562のcDNAからヒトACPHのcDNAをPCR法でクローニングし、バキュロウイルスの発現系を用いてリコンビナントACPH(rACPH)を作製した。作製したrACPHには酸化タンパク質及び糖化タンパク質を選択的に分解する活性が認められ、また、OPHに対する特異抗体が結合した。逆に、OPHにはACPHと同様な酵素活性が認められ、OPHはACPHと同一酵素であることが判明した。
酸化タンパク質を選択的に分解する酵素はこれまでに何種類か報告されてきたが、本研究は、その構造と実体を明らかにした初めての例となった。
2. 機能に関する研究
赤血球細胞質から精製した本酵素(OPH)は酸化した赤血球膜に強い結合性を示した。また、本酵素に対する特異抗体を用いた実験から、本酵素は未酸化赤血球膜より酸化赤血球膜に多く存在することがわかり、本酵素は、とりわけ、膜に存在する酸化タンパク質の分解に重要な役割を果たしていることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tomofumi Fujino: "Characterization of membrane-bound serine protease related to degradation of oxidatively damaged erythrocyte membrane proteins." Biochim.Biophys.Acta. 1374. 47-55 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Tomofumi Fujino: "Purification and characterization of a protease in erythrocyte cytosol that is adherent to oxidized membranes and preferentially degrades proteins modified by oxidation" J.Biochem.124. 1077-1085 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Tomofumi Fujino et al.: "Characterization of membrane-bound serine protease related to degradation of oxidatively damaged erythrocyte membrane proteins." Biochim.Biophys.Acta. 1374. 47-55 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Tomofumi Fujino et al.: "Purification and characterization of a protease in erythrocyte cytosol that is adherent to oxidized membranes and preferentially degrades proteins modified by oxidation and glycation." J.Biochem.124. 1077-1085 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1999-12-08  

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