研究概要 |
(1)ヒトマクロファージ細胞株THP-1をLPSとナイジェリシンで刺激したときIL-1βのプロセシングと分泌が起こること,ICE阻害剤がプロセシングを阻害することを確認した後,同じ細胞がIL-1αのプロセシングと分泌を起こすかどうかを^<35>Sメチオニンで標識した細胞溶解液,培養上清を免疫沈降しSDS-PAGEで調べたところほとんど検出されなかった。 (2)マウスマクロファージ細胞株J774.1をLPSで刺激したときIL-1αとIL-1βのmRNAはRT-PCRによって検出されたが,タンパクレベルではIL-1βは検出されたがIL-1αは検出されなかった。 (3)ヒト膀胱癌細胞株HTB95637はIL-1αとIL-1βのそれぞれの前駆体を構成的に発現しているが,ICEを活性化すると期待されるナイジェリシン処理でIL-1βのプロセシングが起こらなかった。この細胞はICEmRNAを発現していることがRT-PCRで確認されたので、タンパク質に翻訳されているかどうかをin vitroで合成したIL-1β前駆体を基質として調べたが,結果は否定的であった。 (4)以上のことから,本研究課題のためには,正常マウス腹腔浸出細胞あるいはヒト末梢血単球を用いて検討する必要があると考えられた。
|