(1)昨年度の結果からIL-1αのプロセシングと分泌におけるICEの役割を明らかにするためにヒト末梢血単球を用いることとした。この細胞をLPSで刺激し^<35>Sメチオニンで標識後、まずナイジェリシンで刺激してICEを活性化したあと、A23187で刺激しIL-1αのプロセシングと分泌を誘導した。このときICE阻害剤による前処理の効果を調べたところ全く影響が見られなかった。したがってICEがIL-1αのプロセシングと分泌を直接制御している可能性は低いものと考えられた。 (2)IL-Iαのプロセシングと分泌における細胞内pHの変化の役割を知るために、まずHTB9 5637細胞をA23187で処理したときの細胞内pHの変化をBCECFを用いて調べたところ変化が見られなかった。そこで20mM塩化アンモニウムまたは20mM酢酸ナトリウムで処理をして細胞内pHを変化させたところ、いずれも5分まではpHが低下したが30分ではもとに戻っていた。この条件でIL-1αのプロセシングと分泌を30分まで経時的に調べたところ5分まではプロセシングが促進されていたが30分では同じだけプロセシングされた。一方分泌についてはプロセシングされた量に応じて分泌されていて変化は見られなかった。
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