(1) ヒトマクロファージ細胞株THP-1をLPSとナイジェリシンで刺激したときIL-1βのプロセシングと分泌は生じたが、IL-1αのプロセシングと分泌は生じなかった。 (2) マウスマクロファージ細胞株J774.1をLPSで刺激したときIL-1αとIL-1βのmRNAはRT-PCRによって検出されたが、タンパクレベルではlL-1βは検出されたがIL-1αは検出されなかった。 (3) ヒト膀胱癌細胞株HTB95637はIL-1αとIL-1βのそれぞれの前駆体を構成的に発現しているが、ナイジェリシン処理でIL-1βのプロセシングが起こらながった。この細胞はICEmRNAを持っていることがRT-PCBで確認されたので、in vitroで合成したlL-1β前駆体を基質として調べたが活性は検出されなかった。 (4) そこでヒト末梢血単球をLPSで刺激し、まずナイジェリシンで刺激してICEを活性化したあと、A23187で刺激しIL-1αのプロセシングと分泌を誘導した。このときICE阻害剤による前処理の効果を調べたところ全く影響が見られなかった。したがってICEがIL-1αのプロセシングと分泌を直接制御している可能性は低いものと考えられた。 (5) IL-1αのプロセシングと分泌における細胞内pHの変化の役割を知るために、まずHTB95637細胞をA23187で処理したときの細胞内pHの変化をBCECFを用いて調べたところ変化が見られなかった。そこで20mM塩化アンモニウムまたは20mM酢酸ナトリウムで処理をして細胞内pHを変化させたところ、いずれも5分まではpHが低下したが30分ではもとに戻っていた。この条件でIL-1αのプロセシングと分泌を30分まで経時的に調べたところ、5分ではプロセシングが促進されていたが30分では同じだけプロセシングされた。一方分泌についてはプロセシングされた量に応じて分泌されていて変化は見られなかった。
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