• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

家族性アルツハイマー病原因遺伝子プレセニリンの病理作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09672271
研究種目

基盤研究(C)

研究機関理化学研究所

研究代表者

西道 隆臣  理化学研究所, 神経蛋白制御研究チーム, チームリーダー(研究職) (80205690)

研究分担者 丸山 敬  岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (30211577)
キーワードアルツハイマー病 / プレセニリン / ベータアミロイド / セクレターゼ
研究概要

アルツハイマー病の一割弱を占める家族性アルツハイマー病の主要原因遺伝子は、長らく不明であったが、95年に同定され、プレセニリン(I・II)と命名された。その病理的作用の解明は、今後のアルツハイマー病研究の方向を左右するほどに重要である。プレセニリン蛋白質は、7回膜貫通型の構造を有し、線虫を含む下等動物にまで存在する。このように動物界に広く存在する蛋白質が、アルツハイマー病というヒト特異的神経疾患に関与する機構は、今のところ不明である。病理学的作用の一つの可能性としては、アルツハイマー病の病理学的特徴であるβアミロイド沈着を促進することが考えられる。96年になってYounkinらのグループは、患者由来の培養繊維芽細胞が通常のものと比較して不溶性βアミロイドペプチド(Aβ1-42)の産生が上昇していること、また、血漿中の濃度もコントロールよりも高いことを示した。しかし、これは個体差によるばらつきを含む間接的証拠に過ぎない。そこで、我々は、細胞に遺伝子を導入し発現する実験系を用いて、直接的にβアミロイド産生への作用を検証した。その結果、プレセニリンIおよびIIの両方の病原性突然変異が、細胞からのAβ1-42産生を上昇させることを明らかにした。このことによって、早期発症型家族性アルツハイマー病の原因となる全ての遺伝子が、βアミロイド産生に直接作用を与えることが示された。すなわち、アルツハイマー病における「βアミロイド仮説」が実質的に証明されたといってよい。この事実は、今後の弧発性アルツハイマー病の研究の方向性に対する影響も大きい。また、今のところ未同定であるγセクレターゼを知る手がかりになることが期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tomita,T.et al.: "Presenilin 2 mutation linked to familial AD inceases the secretion of AB42" Proc.Nath.Acad.Sci.94. 2025-2030 (1997)

  • [文献書誌] Mann DMA et al: "An intronic polymorphism in the presemilin lgene does not influonce the amount of amylosd B protein" Neurosci.Lett. 222. 57-60 (1997)

  • [文献書誌] Russo,C.et al.: "Meterogeneity of mater-solnble anyloid B-peptide in Alzheimer's disease" FEBS Lett.409. 411-416 (1997)

  • [文献書誌] Saito T.C: "Alzheimer's disease as proteolytic disorders" Newwbiol Aging. (印刷中). (1998)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi