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1998 年度 実績報告書

ヒトおよびラット脳に発現するエステラーゼを介する薬物の透過および代謝の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 09672274
研究機関千葉大学

研究代表者

細川 正清  千葉大学, 薬学部, 講師 (70181500)

キーワードエステラーゼ / カルボキシルエステラーゼ / ヒト脳 / プロドラッグ / cDNAクローニング / 薬物代謝
研究概要

そこで本研究においては、ラットおよびヒト脳に発現するエステラーゼの分子構造および薬物の代謝や脳移行性における役割を明らかにする目的で検討を行った。本年度は、昨年度に引き続き、ヒト脳エステラーゼの構造的特性を明らかにする目的で検討を行った。その結果、ヒト肝エステラーゼのcDNAをプローブに用いて、ヒト脳cDNAライブラリーからスクリーニングを行ったところ、3種のcDNAクローンが得られた。そこで、これらのクローンについて塩基配列の解析を行ったところ、hBrはヒト肝エステラーゼHU1と99.2%配列が一致したが、他の2種のhBr2とhBr3に関しては、これまでに報告のない新しいエステラーゼをコードするクローンであることが判明した。また、それぞれのホモロジーを調べたところ、hBr1とhBr2は79.1%、hBr1とhBr3は76.8%でhBr2とhBr3は、77.3%となり、すべてCES1ファミリーに属するものと考えられた。そこで、これらのクローンを哺乳動物発現ベクターであるpTARGETに組み込み、ハムスター肺由来糾胞株であるV79細胞に導入し、発現させたところ、3種のクローン共に高い発現が認められた。次に、これらの細胞を用いて、実際に臨床で使用されているプロドラッグであるテモカプリルの代謝活性を調べたところ、3種のクローン間で著しい特異性の差異が認められたことから、これらのクローンがコードしているエステラーゼの薬物代謝における役割は、それそれ異なっているものと考えられた。このように、今回ヒト脳から新たに2種のエステラーゼが見つかり、プロドラッグに対する特異性が異なっていることが明らかになったことから、構造的特性も含めて、今後エステラーゼの分子種間での役割の解明が期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 細川 正清: "カルボキシルエステラーゼの分子多様性と種差" 薬物動態. 13. 405-417 (1998)

  • [文献書誌] T. Satoh & M. Hosokawa: "The mammalian carboxyl esterases:From molecules to functions" Ann.Rer.Pharmacol.Toxicol.38. 257-288 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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