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1997 年度 実績報告書

生理活性ペプチドの腎動態と薬効発現の速度論

研究課題

研究課題/領域番号 09672275
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

安原 眞人  東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00127151)

キーワードペプチド性医薬品 / バンコマイシン / ポピュレーション解析 / 腎排泄 / 体内動態 / 腎機能障害
研究概要

本研究は、生理活性ペプチドの全身クリアランスに占める腎クリアランスの寄与を定量的に評価し、ペプチドの腎挙動、特に尿細管上皮細胞の血管側と尿細管腔側での動態を詳細に検討することにより、利尿効果や腎機能障害など、腎におけるペプチドの薬効や毒性発現の過程を速度論的に解明することを目的とする。
本年は、グリコペプチド系抗生物質バンコマイシンの腎排泄につき検討を加えた。全国19の医療施設から収集された患者のバンコマイシン血中濃度データをポピュレーション解析した結果、バンコマイシンの全身クリアランス(CL)は腎機能が正常な成人患者で平均3.51l/hrであるのに対し、腎障害患者では患者のクレアチニンクリアランス(CLcr)に比例して低下し、CL=0.0478・CLcrの関係が成り立つことを明らかとなった。得られた成人患者における標準的な薬物動態値に基づきノモグラムを作成し、臨床におけるバンコマイシン投与設計に役立てることが可能となった。また、バンコマイシンによる肝機能、腎機能の検査値異常発現率に対して1日投与量の関連性が強いことが示された。さらに、腎機能異常値発現率の影響因子となるトラフ濃度と発現率の関係について、トラフ濃度を10μg/ml以下にコントロールすることにより、発現率を15%以下に抑制できることが示された。
現在さらに、小児におけるバンコマイシン血中濃度データの解析を進めると共に、シクロスポリンAや他のペプチド性医薬品について検討を行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 矢野義孝: "バンコマイシンTDMにおける母集団薬物速度論的解析と評価" TDM研究. 14(3). 231-236 (1997)

  • [文献書誌] 尾熊隆嘉: "Vancomycinの有効性、安全性に関与する要因の統計解析" 日本化学癌法学会雑誌. 45(12). 987-994 (1997)

  • [文献書誌] Masato Yasuhara: "Population pharnacokinetics of vancomycin in Japanese adult patients." Ther.Drug Monit.(in press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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