研究概要 |
I]本年度の研究実施計画に則り、サントニン(1)のtrans-ラクトン環をcis-に変換後、ラクトン環の開裂によりC7位側鎖に生成するカルボキシル基のエステル化、C1-C2位の二重結合の選択的還元、C3位ケトン基の保護、上述エステル基の還元によるアルコールへの変換とケトン保護基の脱保護により本プロジェクトのリ-ド化合物、α-cyperone(2)及びその類縁体の合成前駆体(3)の調整を行った。今後、3を出発原料に用い2とその類縁体の合成を行う。 II]一方、1由来の別種α,β-不飽和ケトン誘導体として1,2-ジヒドロ-1(4)、4,5-ジヒドロ-1(5)や1,4,5のラクトン部位をα,β-不飽和ラクトンに変換した化合物や1,4,5のラクトン環をアミンで開裂したアミド型化合物(6)を数種合成した。更にα,β-エポキシケトン構造はα,β-不飽和ケトンと同様の薬理学的挙動を示す可能性もあると考え1,4,5,6等の二重結合にエポキシ基を導入した誘導体をいくつか合成した。又、4のC3位ケトンを還元後、生成する-OH基を1,3-転移反応によりC1位へ移動後酸化してC1位にケトン基を有するα,β-不飽和ケトン誘導体(7)を調整した。今後7に種々のアミン類を1,4-付加させα,β-不飽和ケトンの薬理学的前駆体とも云うべきアミンのマイケル付加体を合成する。 III]シクロヘキサノン誘導体からRobinson annelationを用いて数種のα,β-不飽和ケトンを有する双環系誘導体を調整した。 IV]以上合成した化合物について現在抗マラリア活性試験を実施中である。
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