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1997 年度 実績報告書

フェオフィチン様抗ヘルペスウイルス活性物質の作用機作の解明とその開発

研究課題

研究課題/領域番号 09672290
研究種目

基盤研究(C)

研究機関摂南大学

研究代表者

太田 荘一  摂南大学, 薬学部, 講師 (10213729)

研究分担者 西 正敏  摂南大学, 薬学部, 特別研究員 (80164531)
キーワードフェオフィチン / 抗ヘルペスウイルス物質 / 海産性緑藻 / 植物プランクトン / ドナリエラ / フェオフォルビド / ポルフィリン / CPE抑制
研究概要

D.primolecta C-525の大量培養藻体から、抗ヘルペスウイルス活性物質の精製を試みたところ、終濃度5.0μg/mlでVero細胞のCPEを完全に阻害する精製試料を得ることができた。そして、精製できた#23、#26および#27の3種の試料について、それらの化学構造解析を試みた結果、試料#26と#27の抗ウイルス物質は、21位のメトキシ基がそれぞれβ位とα位に結合している光学異性体の性質を示す、分子量622のフェオホルビドa様物質であること、また、両物質はポルフィリン環の3位のプロピオン酸がメチルエステルとなり、さらに、21位のプロトンが水酸基に置換した新規フェオホルビドa様物質であることが明らかとなった。一方、精製試料#23の物質は、上記の物質と比較して、21位のメトキシ基がα位に結合し、また13位のCH_3基が、CHO基に変わった分子量636の新規フェオホルビドb様物質であることが判明した。次に、これら3種の化学構造とそれらの抗ウイルス活性および高濃度添加時に観察される細胞萎縮性毒性との関連性を解明する目的で、ポルフィリン環を有する種々の標準品およびこれら標準品から作製した誘導体用いて、それらの作用濃度と抗ウイルス活性や毒性について検討を行った。その結果、ポルフィリン環に金属が配位しているクロロフィルやクロロフィリンといった化合物は抗ウイルス活性を発現せず、金属が配位していないフェオホルビド様物質には全て活性が観察されたことより、リング内のイミノ基とヘルペスウイルスに何らかの相互作用があることが推察された。この推察は、標準品のフェオホルビドaに銅を配位させて作製した携導体もまた、その活性を完全に消失するという観察結果からも強く支持された。細胞に対する毒性発現に関しては、ポルフィリン環の3位のプロピオン酸未端がメチルエステル化された物質や13位がメチル基であるフェオホルビドa様物質の場合においては、それらの毒性発現濃度の顕著な低下が認められたことより、細胞膜透過性の問題も含め、リング外の官能基がその毒性発現に深く関与していることが示唆された。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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