研究課題/領域番号 |
09672291
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
川さき 紘一 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (40068242)
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研究分担者 |
北条 恵子 神戸学院大学, 薬学部, 実験助手 (20289028)
前田 光子 神戸学院大学, 薬学部, 助手 (90131531)
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キーワード | ポリエチレングリコール / フィブロネクチン / ハイブリッド / ラミニン |
研究概要 |
多機能型の「ペプチドとポリエチレングリコール(PEG)とのハイブリッド体」の合成にはアミノ酸型のポリエチレングリコールが必要であるので、まず市販のアミノプロピルPEG(apPEG)からアミノ酸型PEG(aaPEG)を合成した。apPEGを半サクシニル化してイオン交換樹脂で精製してaaPEGを得た。これをさらにtert-butyloxycarbonyl(Boc)化してBoc-aaPEGとして合成に用いた。 細胞接着タンパクの一種のフィブロネタチンは、その分子中にArg‐Gly-Asp(RGD)、Glu-Ile‐Leu-Asp‐Val(EILDV)という配列をもち、これらの配列は細胞接着作用に重要であると報告されている。これらのペプチドをaaPEGをもちいて結合させ、2機能基をもつベプチド-PEGハイブリッド体(RGD-aaPEG-EILDV)を合成した。合成はRink樹脂を用いて固相法で行ったが、aaPEGの導入反応が進行しなかった。これはaaPEG(分子量約1万)の立体障害が原因と考え、ILDV部を固相法で合成し、樹脂から分離後、GluとaaPEGを順次液相法で導入した。別に液相法でRGD部を合成して、これを導入して目的とするRGD-aaPEG‐EILDVを合成することができた。本ハイブリッド体のフィブロネクチンに対する接着阻害作用は、RGD,EILDVそれぞれを混合したものより強いという興味ある結果を得た。またラミニン関連ペプチドのハイブリッド体合成の準備実験で、Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg(YIGSR)の類自体の合成を行い、Ileを置換しても活性が無くならないこと、酸性水溶液中でTyrを含むペプチドをヨウ素酸化できることを明らかにした。
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