研究課題/領域番号 |
09672294
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
石黒 京子 武庫川女子大学, 薬学部, 助教授 (70151363)
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研究分担者 |
奥 尚枝 武庫川女子大学, 薬学部, 助手 (90281518)
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キーワード | 抗アレルギー / 抗アナフィラキシー / 血流量 / アッセイ法 / 血流モニタリング / PAF / Compound48 / 80 / 1,4-naphthoquinone |
研究概要 |
これまでに作製したアナフィラキシー誘発モデルマウスにおいて顕著に観察される血流量の低下は、同時に起こる血圧低下と共にアナフィラキシー発症後の重篤なショックを引き起こす重大な要因と考えられる。したがって、アナフィラキシーの血流量の低下を測定することにより、これを抑制する新規物質をスクリーニングできることが示唆された。9年度は、この血流量の低下を指標とする新規のアッセイ法を確立し、抗ヒスタミン、抗PAF、抗脱顆粒作用を有する医薬品が、上記血流に与える影響を検討し、本法が新しいタイプの抗アレルギー薬のアッセイ法として利用できることを証明した。 10年度は、上記のアッセイ法に関連して、アナフィラキシーショックの起因物質として深く関与しているPAFおよび脱顆粒惹起物質であるcompound 48/80が、血流量に及ぼす影響について検討した。方法は先と同様にマウスの尾部皮下の動脈微小循環の血流をレーザー血流計を用いてモニターした。その結果パターンに少し違いが見られるが、いずれも投与直後から顕著な血流量の低下が定量的に惹起できることを確認した。そこでPAFおよびcompound 48/80によって惹起される血流量低下を指標とするin vivoにおける簡便な抗アレルギーアッセイ法を確立した。このアッセイ法を天然資源から探索した新規化合物Balsaminone AおよびBに適用し、PAF拮抗作用、脱顆粒抑制作用があることを明らかにした。また関連化合物である1,4-naphthoquinone誘導体についても活性の検討を行った。NOが血流に及ぼす影響については現在検討中である。また上記アッセイ系における血流量の低下のメカニズムを解明することは今後の課題である。
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