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1999 年度 実績報告書

日本における倫理委員会の機能と責任性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09672297
研究機関東京大学

研究代表者

赤林 朗  東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70221710)

研究分担者 木村 利人  早稲田大学, 人間科学部, 教授 (80195388)
大井 玄  東京大学, 大学院・医学系研究科, 名誉教授 (70114410)
甲斐 一郎  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30126023)
星野 一正  京都女子大学, 宗教文化研究所, 教授 (80111962)
キーワード倫理委員会 / 質問紙調査 / 生命倫理 / バイオエシックス / 医療倫理 / 薬剤治験
研究概要

本研究の目的は、日本における倫理委員会組織の役割・責任を明らかにし、今後の日本の倫理委員会のあり方について検討することである。本年度は最終年度であり、研究の総括を行った。昨年度まで、医学部医科大学、一般病院、医学系学会に調査を行ったが、その結果、行政組織の判断が、現場に強い影響力を及ぼしていることが明かになった。そこで、今年度は先ず、厚生省の医療政策に携わっている職員2名に、様々な機関に設置されている倫理委員会についての行政側の意識を調査する目的で、半構造化面接を行った。面接は各約30分で、本研究の趣旨を説明し、回答については匿名性を保つこと、個人的な意見でも厚生省を代表した意見でもどちらでもかまわないということを前提として面接を行った。面接内容はテ-プに録音し、後に内容分析を行った。質問は、1)ある大学の倫理委員会が海外で行われている治療の施行を承認した際に、行政はどのように対応するか、2)厚生省は様々な医療上の問題のうちのどこまで取り扱うのか(例えば、臓器移植や遺伝子治療は関わっている)、3)厚生省が見解やガイドラインを出すまで判断を保留するという組織が多い傾向がみられたが、厚生省とその他の組織との関連のあり方についてはどのように考えるか、等について尋ねた。結果、現在の厚生行政側の意識としては、法律に記されていない問題については、情報収集のみ行い、各組織の独自の判断を十分尊重する姿勢であることが明かになった。しかし、他の組織が持つ行政側への期待には、これまでの行政組織とその影響を受ける組織との関係についての反省的な側面(行政が法律に記されていない領域にまでオ-ソリティを及ぼしすぎた)が現れているとの行政側の意識があり、今後、行政組織の位置付けが変化してゆく可能性が示唆された。さらに、一般病院などで倫理委員会を設置・運営する際に留意するべき項目などを整理し、最終報告書をまとめた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Akabayashi, A, et al.: "Truth telling in the case of a pessimistic diagnosis in Japan"Lancet. 354. 1263-1263 (1999)

  • [文献書誌] Akabayashi, A, et al.: "Family consent, communication and advance directives for cancer disclosure : A Japanese case and discussion"Journal of Medical Ethics. 25(4). 296-301 (1999)

  • [文献書誌] Miyasaka, M, et al.: "An international survey of medical ethics curricula in Asia"Journal of Medical Ethics. 25(6). 514-521 (1999)

  • [文献書誌] Akabayashi, A.: "Transplantation from a Brain Dead Donor in Japan"The Hastings Center Report. 29(3). 48-48 (1999)

  • [文献書誌] 赤林 朗ら: "医学部5年生に対する「生命.医療倫理」についての意識調査"医学教育. 30. 221-226 (1999)

  • [文献書誌] 赤林 朗ら: "医学部・医科大学における医の倫理教育に関する調査報告"医学教育. 30. 47-53 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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