研究概要 |
1)標準用語集の作成 英語版の医療用標準用語集としては,UMLSおよびICD-10コード集の替わりに,MEDDRAの暫定版を使用した.MEDDRAには,WHOART,COSTART,JARTの全てを包含しさらに拡張された事象表現用語とICD-10病名のかなりが搭載されている.このMEDDRA暫定評価版の最下層(LLT)に存在する約4万語を用語の対象候補として抽出した.MEDDRAは臨床試験を中心とした有害事象報告用の用語集として整備されているため,用語集としての完備性が高いだけでなく,現実的な有用性も高いと判断した.このLLTの用語(基本的に英語)の約半数を選択して日本語化し,日本語narrative data標準用語集(lexicon)のプロトタイプを作成した。 2)医療用文例の収集 東京医科歯科大学医学部附属病院の診察情報システムでの診療録文章(narrative data)入力の実施開始が遅れたため,実際の診療録をワープロ入力して医療用文例を収集した.また,この作業を効率化するため,電子dictationシステムを採用した.収集された医療文例は順次全文検索エンジンでト-クン分離して収納した.今後治験情報を中心に,オンラインでのnarrative dataの追加収集を実施する.また十分な量の文例が収集された段階で,thesaurusのプロトタイプを作成する予定である.
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