第2次大戦後の連合軍占領下においては」、政治、経済と同様に保健医療政策に関しても連合軍総司令部公衆衛生福祉部(GHQ/PHW)の指導の下で様々な改革がなされた。本研究ではこの改革のプロセスをGHQ/PHWの部内文書であるを分析することにより、占領期の保健医療政策研究の全般的把握を目的とした。 現在までにDaily Journalの表題のデータベース化が終了し、その内容の光学的複写の作業がほぼ半分まで来ている。文書の総数は1945年:389、1946年:1668、1947年:2741、1948年:2400、1949年:2478、1950年:1824、1951年:963、1952年:277であった。表題を分類するために用いたカテゴリーとその数は、医事(850)、薬事(2356)、看護(540)、獣医学(540)、環境衛生(755)、感染症対策(1264)、医用資材(887)、食品衛生・栄養(853)、引揚者対策(216)、その他・内容不明(2034)であった。このうち、「薬事」の大半は麻薬覚醒剤取り締まりについての文書であった。また、「その他」には赤十字やララ(LARA:公認アジア救済)物資等が含まれている。各カテゴリーを見てみると、例えば「感染症対策」では感染症一般が127の他、多い順に並べると、チフス:233、結核:189、性病:183、狂犬病:90、日本脳炎:80、検疫:79、天然痘:65、コレラ:35、ジフテリア:35、脳脊髄膜炎:33、(30以下は省略)であった。 今後は内容の光学的複写と判読作業(資料の字が不鮮明なため)を行い、質的な分析を行っていく。
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