第2次大戦後の連合軍占領下においては」、政治、経済と同様に保健医療政策に関しても連合軍総司令部公衆衛生福祉部(GHQ/PHW)の指導の下で様々な改革がなされた。本研究ではこの改革のプロセスをGHQ/PHWの部内文書であるを分析することにより、占領期の保健医療政策研究の全般的把握を目的とした。 文書は占領軍引き上げ時に急いで梱包されたものらしく、系統的にファイルはされてない。その中で、文書形式と年月日表記で判別することができるWeekly BulletinとDaily Journalを国立国会図書館憲政資料室に保管されているマイクロフィッシュから検索、光学的複写を行った。このうちWeekly BulletinはGHQ/PHWが各都道府県の部署に活動を知らせるための週報であり、Daily JournalはGHQ/PHW部内の日刊報告である 現在までにDaily Journalの表題のデータベース化が終了し、その内容の光学的複写の作業が終わった。文書の総数は1945年:389、1946年:1668、1947年:2741、1948年:2400、1949年:2478、1950年:1824、1951年:963、1952年:277であった。表題を分類するために用いたカテゴリーとその数は、医事(850)、薬事(2356)、看護(540)、獣医学(540)、環境衛生(755)、感染症対策(1264)、医用資材(887)、食品衛生・栄養(853)、引揚者対策(216)、その他・内容不明(2034)であった。 Weekly Bulletinも光学的複写が終了し、当時のカーボンコピーのため現在不鮮明な文字を読み取り復刻作業を行い、内容の考察を行っている。
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