研究課題/領域番号 |
09672304
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
熊本 一朗 鹿児島大学, 医学部, 教授 (40225230)
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研究分担者 |
宇都 由美子 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (50223582)
宇宿 功市郎 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (30281223)
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キーワード | セキュリティ / 暗号 / 認証 / 医療情報システム / Virtual Private Network / イントラネット / データウェアハウス / 動画像オン・デマンド・システム |
研究概要 |
本格的なインターネット普及の時代を迎え、情報システムの使命は、処理・蓄積から、伝送・共有へとかわりつつある。しかし、医療情報は、患者の個人情報であるという性格上、安易にネットワークで流通できるものではない。本研究では、医療情報を安全に交換可能とするネットワークシステムを開発し、そのネットワーク上にイントラネットサーバを導入し、実際に医療情報を安全かつ円滑に共有可能であるか検証した。今回の実験システムでは、ATMネットワーク上に病院情報システムVLAN、遠隔診断VLANを構築し、遠隔診断VLANと病院情報システムVLANの間をFire Wallで接続し、インターネットと遠隔診断VLANとの間をFire Wallで接続した。このFire WallはVPN(Virtual Private Network)機能を有している。遠隔診断VLANには、認証サーバ、情報共有サーバ等を設置し、医療情報テストデータとして患者基本情報・病名データベース、患者検体情報、教育用の動画像(MPEG)を登録した。システムの評価として、施設内と施設外から医療情報の参照を行った。施設内からの利用は、情報共有サーバへの認証のみ必要であり、1回のパスワード入力で利用できた。施設外から利用する場合、ISDN回線で接続する方法と、インターネットからVPNを用いて接続する方法の2種類を準備した。ISDNによる接続では、ダイヤルアップ時の認証と、情報共有サーバでの認証と、2回のパスワード入力が必要であった。伝送性能はISDN回線の伝送速度とほぼ一致した。VPNを用いた接続では、ISP(インターネットサービスプロバイダ)での認証、VPNの認証、情報共有サーバでの認証という3回のパスワード入力が必要となったが、ISPへの認証は自動で行えたので、実際は2回のパスワード入力のみとなった。伝送性能はVPNを介しない場合と比較し80%程度であった。今回の実験では、施設内と施設外の医療情報の安全な共有を実現した。特にVPNを用いた接続は、通信経路にインターネットを利用できる為、海外研究施設との医療情報交換時において、コスト的にも大変優れていると思われた。
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