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1998 年度 実績報告書

遺伝性高チロジン血症における肝細胞アポトーシスおよび肝細胞癌の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09672313
研究機関熊本大学

研究代表者

遠藤 文夫  熊本大学, 医学部, 教授 (00176801)

キーワードアポトーシス / 肝障害 / 高チロシン血症 / ミトコンドリア / チトクロームC / 組換えアデノウイルス / 肝細胞がん
研究概要

本研究では、遺伝性高チロシン血症における肝細胞における遺伝子発現の異常と肝細胞のアポトーシス死、および肝細胞障害の遺伝子治療モデルの確立を目的として研究を進めた。昨年度の研究にひきつづいて行った本年度の研究において、以下の事柄を明らかにすることが出来た。( ) ヒトフマリルアセト酢酸ヒドラーゼ(以下FAH)を発現する組み換えアデノウイルスを作成して、FAH欠損マウス肝細胞でヒトFAHを発現するが出来た。( ) ヒトFAHを発現する肝細胞はホモゲンチジン酸で誘導されるアポトーシスに耐性である。( )肝細胞のアポトーシスはカスパーゼの活性化によって生じている。これらの結果と前年度の結果をあわせて考察すると、FAH欠損肝細胞においては、細胞内にアポトーシスを誘導するフマリルアセト酢酸が三省され、フマリルアセト酢酸とミトコンドリアとの直接の反応によって細胞死のシグナルが発生し、カスパーゼが活性化されると考えられた。カスパーゼ阻害剤はFAH欠損マウス肝細胞のアポトーシス死を個体レベルでもほぼ完全に抑制するところから、この疾患での遺伝子発現の異常は細胞死のシグナルの発生に関連していることが推察された。なおBc12を発現する組み換えアデノウイルスを作成して、FAH欠損マウスに投与する実験も行った。その結果マウスは肝不全を生じて死亡した。こ之現象を詳細に検討した結果、対照マウスでも同様のことが生じることが明らかになり、Bc12の大量発現が肝細胞のアポトーシスを誘導することが推察された。従って、Bc12を肝細胞で発現する方法として、リポソームを利用する方法を検討中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shimazu M.,Endo F.,et al: "Ten novel mutations of ornithine transcarbamylase(OTC)deficiency." Human Mutation Suppl. 1. 5-7 (1998)

  • [文献書誌] Nagano K,Endo F.,et al: "Intracellular distribution of the Wilson,s disease gene product(ATPase7B)after in vitro and in vivo exogenous expression in hepatocytes from the LEC Rat,an animal model of Wilson,s disease." Hepatology. 27. 799-807 (1998)

  • [文献書誌] Kimura A.,Endo F.,et al: "Tyrosinemia type I-like disease: A possible manifestation of 3-oxo-Δ4-steroid 5b-reductase deficiency." Acta Paediat Jap.40. 211-217 (1998)

  • [文献書誌] Kudo S.,Endo F.,et al: "Hepatocyte injury in tyrosinemia type I is induced by fumarylacetoacetate and is inhibited by caspase inhibitors." Proc.Nati.Acad.Sci.95. 9552-9557 (1998)

  • [文献書誌] Uchino T.,Endo F.: "Neurodevelopmental outcome of long-term therapy of urea cycle disorders in Japan." J.Inter.Metab.Dis. 211-217. 151-159 (1998)

  • [文献書誌] Yorifuji T.,Endo F.,et al: "X-inactivation pattern in the liver of a manifesting female with ornithine transcarbamylase(OTC)deficiency." Clim.Genet.54. 349-353 (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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