近年のネットワークの進展には、目を見張るものがあり、各家庭にまでインターネット接続環境が拡大してきている。しかし、医療現場におけるそれは、一部限られた範囲のみで利用可能であり、さらなるインフラの整備が待たれる所である。初年度は、医薬品投与設計シミュレーションプログラムのスタンドアローン型プログラムの開発を目指し研究し、日本薬学会第118年会(1998年3月、京都)で、その成果の一部を発表した。また、これは教育用プログラムとしても利用され、平成10年度から本学部医療薬学演習において活用され、投与設計および医薬品適正使用を理解する上で、十二分に教育効果を発揮できた。また、多くの個人(勤務薬剤師など)および東北薬科大学より利用申し込みがあり、本プログラムを提供し、臨床面、教育面で活用されている。更に本プログラムの改良を目的として研究を継続し、国民の健康と医療に資することを期したい。 一方で、本年度からWindows NT Server/SQL Serverシステム上にデータベース構築とクライアント上の「お薬説明シート」を開発し、その成果の一部を日本薬学会第119年会(1999年3月、徳島)にて発表する。これも上記医薬品投与設計シミュレーションプログラムと同様広く公開する予定である。また、本学部情報科学演習で使用し、来年度から始まる病院実習のプレ実習の一環として大きな効果が得られた。 医療・薬学情報学は未だ体系化されておらず、未開拓の分野である。今後、教材として、且つ、実践の場で活用できる種々のインターネット上で利用可能な双方向生のアプリケーションの開発を目指したい。
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