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1997 年度 実績報告書

神経ペプチド含有シナプス小胞の単離とペプチド遊離機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09672327
研究種目

基盤研究(C)

研究機関広島大学

研究代表者

井上 敦子  広島大学, 医学部, 助手 (50176418)

キーワードサブスタンスP / ラット脊髄後根神経節培養細胞 / 一次知覚神経 / 神経成長因子 / 遊離 / PPTmRNA
研究概要

カテコルアミンの遊離調節機構は飛躍的に解明されつつあるが、ペプチドの遊離機構はカテコルアミンの遊離機構とはいくつかの点で異なっていることが観察されているのみでほとんど解明されてないといえる。サブスタンスP(SP)は、侵害情報を伝達するペプチド性神経伝達物質であり、末梢の疼痛刺激により、脊髄後角において一次知覚神経終末部から遊離される。本研究では、SPの遊離機構解明の目的で、一次知覚神経に着目し脊髄後根神経節(DRG)細胞の初代培養を行った。成熟ラットからDRGを単離し、酵素処理することにより分散させ、初代培養細胞を作成した。培養DRG細胞においてSPは、高濃度カリウム、カプサイシン刺激によって、カルシウム依存性に遊離した。このSP遊離は神経成長因子(NGF)非存在下では消失した。これは細胞内のSP含量が減少したためであった。すなわち、成熟ラットからの培養DRG細胞はNGF非存在下でも生存可能であったが、SP生合成はNGF依存的であった。NGF以外のニューロトロフィン(ニューロトロフィン3、脳由来神経栄養因子)はSPの生合成を誘発しなかった。培養DRG細胞からRNAを抽出し、SP前駆体(PPT)mRNAの解析を行った。その結果、培養DRG細胞にはPPTmRNAの3つのアイソフォーム(α-、β-、γ-)の内、γ-PPTmRNAが一番多く、次いでβ-PPTmRNAが存在し、α-PPTmRNAは検出できないほど少量であった。NGFによりPPTmRNA量の増加が観察された。従って、NGFは転写を促進することによりSPの生合成を誘発していることがわかった。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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