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1997 年度 実績報告書

血管内皮細胞における一酸化窒素合成酵素の機能異常とその血管新生に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 09672334
研究種目

基盤研究(C)

研究機関昭和大学

研究代表者

百瀬 和享  昭和大学, 薬学部, 教授 (80004597)

研究分担者 保田 晶子  昭和大学, 薬学部, 助手 (30260079)
内藤 慎二  長崎大学, 医学部, 助手 (40253645)
清水 俊一  昭和大学, 薬学部, 助手 (60196516)
山元 俊憲  昭和大学, 薬学部, 教授 (30112741)
石田 行知  三菱化学生命科学研究所, 先端研究部門, 主任研究員
キーワード一酸化窒素(NO) / 酸化窒素合成酵素 / テトラヒドロバイオプテリン / 血管内皮細胞 / 活性酵素 / 過酸化水素 / 血管新生
研究概要

本年度は、一酸化窒素合成酵素(NOS)の補酵素であるテトラヒドロバイオプテリン(BH4)含量の低下により、NOSが機能異常を起こし、本来生成すべき一酸化窒素(NO)ではなく、活性酸素が生成し、血管新生を促進するという我々の仮説を評価するために、以下の2点について検討した。
1.血管内皮細胞内BH4含量の低下に伴いNOSから活性酸素が遊離するか否か。
2.低濃度外因性過酸化水素が、血管新生を促進するか、また、外因性過酸化水素による血管新生の促進に転写因子ets-1の発現が関与するのか否か。
血管内皮細胞は、ウシ大動脈より採取し、培養後実験に使用した。活性酸素の遊離は,ルシフェリン誘導体であるMCLAを検出剤とした発光法により測定し、また血管新生は、コラーゲンゲルを用いたin vitro測定系により評価した。
内皮細胞をBH4合成阻害剤である2,4,-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジン(DAHP)を処置することにより、細胞内BH4含量が著しく低下した。同様の条件下で、カルシムイオノフォアであるイオノマイシンを添加したところ、活性酸素の遊離が認められた。また、DAHP処置によるBH4含量の低下及び活性酸素の遊離は、BH4合成の基質であるセピアプテリンあるいはNOSの阻害剤であるニトロアルギニンの処置により完全に阻害された。これらの結果から、細胞内BH4含量の低下によりNOSから活性酸素が遊離することが明らかとなった。さらに、低濃度過酸化水素を内皮細胞に添加すると、ets-1mRNAの発現が促進され、血管新生の促進が認められた。また、血管新生の促進は、ets-1遺伝子のアンチセンスにより抑制された。以上の結果は、低濃度過酸化水素がets-1の発現を介して血管新生を促進することを示している。今年度は、NOSの機能異常により遊離する活性酸素が、血管新生を促進するか否か決定する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M.Ishii et al.: "Accelreration of oxidative stress-induced endotheliral cell death by itric oxide sythase dysfunction accompanied with decrease in tetrahydrobioptein content" Life Science. 61. 739-747 (1997)

  • [文献書誌] S.Naito et al.: "Ets is an early response gene activated by endothelin-1 and platelet-derived growth factor-BB in vascular smooth muscle cells ; mediation through protein kinase C and intracellular calcium stored in the endoplasmic reticulum" Am.J.Physiol.( (in press))

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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